椀の形状特性 : 伝統的工芸品・椀に関する研究(3)

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概要

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椀が有する形状特性を,伝統的工芸品と工業製品の両者を対比させることにより,数理的に解明することを試みた。検討は,椀の形状を構成する49種類の形状説明項目の設定・測定を行い,各計測項目間に存在する相関関係をもとにして,主成分分析,クラスター分析,判別分析,確率集中楕円分析等の各分析手法を用いて解析した。得られた結果は,以下のように要約できる。(1)椀の形状構成要因となる基本項目は,[全容積][底部の厚み][口径][椀全体の高さ][高台の高さ][重量][高台の直径][口縁部の厚み]の8項目である。(2)伝統的工芸品および工業製品の椀には,それぞれの形状を特徴づける固有の「型」が存在し,前者を「ボリューム効果」,後者を「ハイト効果」と表現することができる。(3)伝統的工芸品と工業製品の椀の,形状的な相違点を端的に表象する項目は,[底部の厚み]および[全容積]である。
1989-03-31

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