地域開発における「適正デザイン」概念の基礎的検討 : アプロプリエイト・デザインに関する研究(1)

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概要

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先進工業地域によって生み出されるデザインが地球的規模で肥大化していく現実のなかで,「もう一つの地域開発」のありかたが求められている。本稿においては,その「もう一つの地域開発」のありかたを示唆する「適正デザイン」の基本概念を検討し,次の諸点を明らかにした。1)地域開発のゴールは当該地域の内発的・自立的発展にあり,そのためにこそ,ヒューマンな視座に立脚するデザインの地域開発への参加が不可欠である。2)地域開発へのデザイン参加に際しては,デザインの領域を,当該地域の生活と生産性の向上に寄与する生産物ならびに生産形態のありかたを計画・設計する,生産デザインとしてとらえる必要がある。3)地域社会に適合したデザインとは,その形成に強いかかわりを有する内的および外的な環境諸要素の統合とみなすことができる。
日本デザイン学会の論文
1988-06-30

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