WAVE2000キャンペーン時のS310-29搭載チャフ・山川MFレーダー・MUレーダーによる中間圏・下部熱圏中の風速・気温観測

概要

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大気光波状構造キャンペーンにおけるS310-29ロケット実験(内之浦;2000年1月10日5:50JST)の際に行われたチャフ実験,京大MUレーダー流星モード(MUR),山川MFレーダー(MFR)による中間圏・下部熱圏領域の風速・気温の観測結果示す.MUR,MFR,チャフの風速の高度プロファイルはとくに東西風についてよい一致がみられた.レーダーによる風速観測では,大気潮汐と思われる変動が見られ,MUR,MFRはしばしばよく似たプロファイルを示した.MUR流星観測から推定される気温にも顕著な変動があった.ロケット打ち上げ時刻前後の気温は高度85-95kmで大きな負の高度勾配をもち,ブラント・バイサラ周波数N^2が非常に小さく(〜0 - 5 × 10^<-6> sec^<-2>)なっていた.MURと内之浦で同様の温度変動を仮定すれば,内之浦上空で見られた大気光やロケットの観測結果を重力波の分散関係式など理論を援用して解釈する場合,背景のN^2の値として中層大気中の代表値では不適切で,その時間・領域の推定値が必要な場合がありうる.
宇宙航空研究開発機構の論文