端面コーティング改善によるAlGaInAsレーザの高信頼性化(超高速伝送・変復調・分散補償技術,超高速光信号処理技術,広帯域光増幅・WDM技術,受光デバイス,高光出力伝送技術,一般(ECOC報告))
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概要
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光通信波長帯に対応したAlGaInAsレーザは、光通信システムの光源として幅広く用いられているGaInAsPレーザと比較して高速変調・高温動作に優れた特徴を持つ。これまで我々は、このAlGaInAsレーザの信頼性を精査し、順方向ESD試験での劣化と、加速劣化試験と名付けた高電流通電試験での劣化が課題であることを示唆してきた。これらの劣化はどちらもレーザ端面の活性層で生じることが判明しており、端面コーティングの改善により両劣化の抑制を図った。順方向ESD試験では、CODと同様に端面の活性層において光吸収による溶解が生じる。そこで、端面コーティング直前にAl薄膜を端面に堆積するパッシベーションを適用した。酸素雰囲気中で端面コーティングを成膜する際に、端面が酸化されるのをAl薄膜により防ぐことを意図したものである。このパッシベーションの適用により、ESD試験電圧1kVの累積劣化率は40%から0%に低減する結果を得た。一方、加速劣化試験では、絶対定格電流を超えた200mAの高電流下で、環境温度85℃にて800hの通電試験を行った。加速劣化試験では、端面の活性層を覆う転位網が形成される。転位網の形成に寄与すると考えられる格子間原子の拡散を抑えるため、格子間距離を縮めるように200MPaの圧縮応力を持つ端面コーティングを適用した。この端面コーティングの適用により、加速劣化試験の劣化率は5%から0%に低減する結果を得た。以上の端面コーティング改善の検討により、AlGaInAsレーザの信頼性上の課題であったESD試験と加速劣化試験での劣化を抑制でき、高信頼性化を図ることに成功した。
- 2010-10-21
著者
-
市川 弘之
住友電気工業株式会社伝送デバイス研究所
-
福田 智恵
住友電気工業株式会社伝送デバイス研究所
-
松川 真治
住友電気工業株式会社解析技術研究センター
-
生駒 暢之
住友電気工業株式会社伝送デバイス研究所
-
市川 弘之
住友電気工業株式会社伝送デバイス研究所:住友電気工業株式会社解析技術研究センター
-
市川 弘之
住友電気工業 伝送デバイス研
-
生駒 暢之
住友電気工業株式会社 伝送デバイス研究所
-
福田 智恵
住友電気工業株式会社伝送デ
-
福田 智恵
住友電気工業(株)伝送デバイス研究所
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