GC-MSによる石油成分の詳細分析と炭化水素の環境影響・環境動態(シンポジウム:石油汚染の調査研究の現状と課題)
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概要
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GC-MSによる石油炭化水素分析の毒性評価,石油の環境動態解明,および起源推定における有用性をいくつかの研究により明らかにした.ナホトカ号から流出した重油中には高分子量の多環芳香族炭化水素が原油の100倍程度の高濃度で含まれていた.海岸に漂着した重油中からは低分子の炭化水素は2年以内に90%以上消失したのに対して,高分子の多環芳香族炭化水素は約2年経過後も50%以上残留していた.これらの多環芳香族炭化水素が発ガン性等の毒性を持つことから,長期的な生物影響についての調査を進めることが必要である.一方水深100m以上の堆積物への流出重油の有意な移行は,セジメントトラップ観測からも堆積物の分析からも,認められなかった.漂着後時間が経過した重油において,直鎖アルカンと多環芳香族炭化水素組成は大きく変化したが,ホパンの組成は一定であり,起源推定指標としての有効性が確認された.ホパン類の起源推定指標としての有効性は,マレーシアにおけるタールボールの発生源の区別(中東産の石油を輸送するタンカーとマレーシア国内の石油汚染起源)においても確認された.
- 1999-08-10
著者
-
高田 秀重
東京農工大学農学部
-
堤 史薫
東京農工大学農学部
-
乗木 新一郎
北海道大学大学院地球環境科学研究科
-
高田 秀重
Institute Of Symbiotic Science And Technology Tokyo University Of Agriculture And Technology
-
河野 恵里子
東京農工大学農学部
-
乗木 新一郎
北海道大学水産学部水産化学科
-
パウジ モハメド
マレーシアpeuta大学環境科学科
-
堀之内 愛
東京農工大学農学部環境資源科学科
-
高田 秀重
東京農工大学大学院共生科学技術研究部
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