東京湾堆積物中の環境ホルモン物質 : 過去50年間の歴史変遷(シンポジウム:沿岸海域における環境ホルモンの動態)
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概要
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PCBs,コプラナーPCBs,DDE,多環芳香族炭化水素類(PAHs),アルキルフェノール類(APs),ビスフェノール(BPA),フタル酸エステル類(PAEs)による東京湾の汚染の歴史変遷を柱状堆積物の分析を通して明らかにした.いずれの成分も1950年代には検出されないかあるいは低濃度であったが,1960年代にそれらの生産・使用・発生量の急増を反映して堆積物中の濃度は急増した.PCBs,DDE,PAHs,APsの濃度は1970年付近に極大を持ち,それ以降濃度は減少傾向を示した.これは生産,使用の禁止,水質汚濁や大気汚染に対する法規制の整備によるものと考えられた.BPAとPAEsの濃度は1950年代から現在まで増加傾向を示し,生産量の推移とほぼ対応した.これらの物質の供給源となるプラスチック製品が開放系で使用され,表面流出等の下水処理過程を経ないで直接東京湾に負荷されているためと推測される.コプラナーPCBsの鉛直分布はnon-planar PCBsの分布と類似しており,それらは主にPCBs製品由来であると考えられた.しかし,コプラナーPCBsの1980年以降の負荷に関してはゴミ焼却の寄与も示唆された.
- 日本海洋学会の論文
- 2000-02-25
著者
-
西山 肇
東京農工大学農学部
-
磯部 友彦
国立環境研究所
-
中田 典秀
東京農工大学農学部
-
高田 秀重
東京農工大学農学部
-
磯部 友彦
東京農工大学農学部
-
奥田 啓司
東京農工大学農学部
-
高田 秀重
Institute Of Symbiotic Science And Technology Tokyo University Of Agriculture And Technology
-
佐藤 太
東京農工大学農学部
-
真田 幸尚
東京農工大学農学部
-
眞田 幸尚
(独)日本原子力研究開発機構東海研究開発センター核燃料サイクル工学研究所放射線管理部
-
真田 幸尚
東京農工大学農学部環境資源科学科
-
奥田 啓司
東京農工大学農学部環境資源科学科
-
高田 秀重
東京農工大学大学院共生科学技術研究部
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