大阪湾の富栄養化の現状と生物によるNとPの循環(シンポジウム:望ましい大阪湾の海洋環境-環境改善への提言)
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概要
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大阪湾における富栄養化の過程と,生物が関与する窒素とリンの循環過程について論議した.1985年から1987年の3年間にわたる観測の結果より,栄養塩や動・植物プランクトン,懸濁粒子,沈降粒子および表層堆積物中の窒素とリン量の見積もりと,それぞれの評価を行った.窒素・リン量とも海域環境によって大きく変動しており,とりわけ湾奥部では高濃度であったが,湾口(友が島水道)にかけて急激に減少していた.粒子の化学的キャラクタリゼーションの結果,湾口部で沈降しつつある粒子は,易分解性の有機物が既に分解した"古い粒子"であることがわかった.大阪湾内で沈降・堆積して水柱より除かれる窒素とリンは,負荷量のそれぞれ6%と18%を占めていることも明らかとなった.生物をめぐる窒素とリンの湾内での収支より,リンの負荷量の削減とともに,窒素についても削減が必要であることが推察された.
- 日本海洋学会の論文
- 1991-08-31
著者
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