有明海奥部海域における近年の貧酸素水塊および赤潮発生と海洋構造の関係
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概要
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九州西岸の有明海奥部海域において,近年夏季に発生する底層水の貧酸素化現象および頻発する赤潮の発生メカニズムを解明するため,2001年8月より2002年2月まで毎月1回,水質調査を行った。本調査期間中,8月上旬に底層で貧酸素水塊が,11月に珪藻赤潮がいずれも大雨の後に発生し,その発生過程を次のようにまとめた。1.夏季の貧酸素水塊 梅雨期の大雨→河川からの大量の淡水の流入→表層の塩分低下による成層構造の発達・夏季の気温上昇に伴う水温の成層構造の発達→底層水の貧酸素化 2.秋季の珪藻赤潮 秋季の大雨→河川からの大量の淡水の流入・大量の栄養塩の供給→低塩分・高栄養塩濃度の表層水の形成→赤潮の発生 1998年以降,秋季の赤潮は大規模化する傾向が認められる。有明海奥部海域では,塩分や水温による成層構造が発達した時に,海水交換に大きな変化が生じ,海水が滞留しがちになることで赤潮が発生している可能性が指摘される。
- 日本海洋学会の論文
- 2003-05-05
著者
-
堤 裕昭
熊本県立大学環境共生学部
-
門谷 茂
北海道大学大学院水産科学研究科
-
門谷 茂
北海道大学大学院環境科学院
-
門谷 茂
香川大学農学部
-
堤 裕昭
熊本県立大
-
高橋 徹
熊本保健科学大学保健科学部
-
山口 一岩
北海道大学大学院水産科学研究院
-
小松 利光
九州大学大学院工学研究院
-
岡村 絵美子
熊本県立大学環境共生学部
-
小川 満代
熊本県立大学環境共生学部
-
高橋 徹
みなまた環境テクノセンター
-
小橋 乃子
九州大学大学院工学研究院
-
安達 貴浩
九州大学大学院工学研究院
-
小松 利光
九大 大学院工学研究院
-
Tsutsumi Hiroaki
Faculty Of Environmental And Symbiotic Sciences Prefectural University Of Kumamoto
-
門谷 茂
香川大農
-
山口 一岩
愛媛大学沿岸環境科学研究センター環境動態解析分野:(現)岡山理科大学工学部人間環境科学研究室
-
山口 一岩
北海道大学大学院水産科学研究科
-
小松 利光
九州大学大学院 工学研究院
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