地域在住高齢者を対象としたHome Hazard Modification Programの効果

概要

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本研究の目的は,地域在住高齢者を対象に,自宅内の転倒予防・安全対策教育としてHome hazard modification program(以下:HHMP)を実施した効果を評価することである.HHMPは,自宅内の危険箇所と安全策等を理解する講義,転倒事故予防教育用住宅模型教材(実用新案3148203号)を用いた演習等の30分のプログラムで,これを転倒骨折予防実践講座(週2時間×4回)内で実施した.研究対象者73名(平均年齢76.7(SD 6.2)歳)を無作為に介入群(38名),コントロール群(35名)に割り付け,分析対象者介入群27名(71.1%),コントロール群29名(82.9%)のベースライン,講座終了時,12週後の3時点の知識,転倒発生状況等を縦断的に分析した.その結果,知識量には両群で交互作用(p=.047),および単純主効果(p=.033)が認められ,多重比較では介入群のほうが講座終了時知識量が有意に高かった(Bonferroni's multiple comparison test p=.027).介入群の低転倒リスク群は講座終了時(Fisher's exact test p=.020),12週後(Fisher's exact test p=.047)の自宅内安全知識の正答者割合が有意に高かった.さらに12週の累積転倒者数は介入群に有意に少なかった(Log rank test p=.025).以上から,HHMPは高齢者への自宅内の安全知識の向上と短期維持,および短期転倒予防効果がある可能性が示唆された.
2010-05-15