ホール素子電流センサによる直流通過型電力計の試作

概要

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高周波や交流電流の通過型電力計は流通製品としてあふれている。しかし、直流の通過型電力計は流通製品として見当たらない。直流電力もラインインピーダンスとは無関係ではない。しかし、同軸ケーブルなどインピーダンスの明確なものには許容電流に限界があり、今日的な低電圧大電流(1.3V 50A、またはそれ以上など)に対応しきれない。それでも直流通過型電力計としては、ラインインピーダンスの整合に考慮した構造にすることが必要である。今回使用したホール素子電流センサは内部抵抗が比較的大きい(1.2mΩ)が、内蔵している回路にチョッパ方式を用いている。このことによって、ホール素子のオフセット、ドリフトなどの改善が行われているという。今回の試作はセンサが内蔵している回路の機能とセンサの物理的な寸法(SOP8)を最大限活用した構造とした。寸法が小さいことは電界や磁界に対するシールドが容易となる。このことによって、地磁気の影響も排除することができ、学生実験においても使用できるようになったので報告する。