事例研究:「面積」と「周長」との分離を目標とした算数の授業 : ジオボードを用いた図形の構成をもとに
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概要
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等周長であれば等積であると判断する誤概念の改訂を目的とし,小学校第4学年,第5学年の児童を対象として実施された3つの授業事例を検討した。これらの授業では主として等周長のポリオミノ(ジオボードで構成される各頂点での内角の大きさが90°あるいは270°の多角形)を構成しその面積を求める課題が取り上げられたが,授業の最後には「(ポリオミノの)周りの長さが同じでも面積が同じとは限らない」などの結論が得られた。しかし,辺長が明示されていない等周長の正方形と長方形の面積を比較する課題には,学習した事項は適用されなかった。一方,情意調査の結果から,児童はジオボードを用いた活動に興味関心をもって取り組んだことが推測された。また,ジオボードを用いずに同様の活動を行った学級でも関心の高さが示されたが,それは授業で扱われた課題が興味関心を引くものであり,さらに正答は唯一ではない,自分のペースで取り組める,図形構成の考え方が分かるなどの特徴を持つものであったことによると思われる。これらを通して,図形の周長と面積との分離を図る学習素材や算数・数学の授業で用いられる教材・教具のあり方などについて検討した。
- 日本教育方法学会の論文
- 2008-03-31
著者
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