戦時下における紙芝居に関する議論--雑誌『紙芝居』を中心に
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概要
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本研究は、戦時下において、当時紙芝居に関していかなる議論が展開されていたかを明らかにし、かつその議論の内容を整理することを目的としている。1938(昭和13)年に松永健哉らが設立し、戦時下において紙芝居の製作、普及、研究の任を担った、日本教育紙芝居協会が毎月発行していた機関誌『紙芝居』を検討対象とした。そこで掲載されている「座談会」の議論に注目した。紙芝居に関する議論の特徴を整理し、本研究で対象とする雑誌刊行の期間(1942年〜1944年)の中で、紙芝居に関する論じられ方に変化がみられるか否かについて明らかにすることをも試みた。結果として、「座談会」における議論の内容については、大きくは、紙芝居の本質や特質などの議論、紙芝居のある領域における活用の意義や利用価値についての議論、紙芝居の作り方、演じ方、描き方など紙芝居の扱い方についての議論に整理された。また、議論のされ方に見られる変化については、1943年第6巻11号から、時局をわきまえない紙芝居に対する批判が出ていることを受け止めて、紙芝居の使命を何より国策協力に置くとという前提で紙芝居のあり方を議論する傾向が強くなっていくことが確認された。
- 2009-12-20
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