〈紙芝居特集〉保育のなかの紙芝居 : 関屋友彦の福音紙芝居活動を通して
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概要
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本稿では、関屋友彦の戦後の紙芝居活動に焦点を当て、関屋に対して行ったインタビュー、資料、文献等の記録をもとに、福音紙芝居と保育の関わりを検討した。その結果、これまでほとんど明らかにされてこなかった戦後の福音紙芝居の歴史の一部が解明された。また関屋の紙芝居活動と紙芝居観について、1)福音紙芝居の先駆者とされる今井よねの活動を戦後引き継いだ者として関屋友彦の活動を発掘した。2)関屋の紙芝居活動は戦争のない平和な社会の構成員としての子どもの教育をめざすものであり、キリスト教は目的のための方法と捉え伝道には固執しなかった。3)紙芝居を保育所、幼稚園に向けて販売した活動は、学校教育から紙芝居が締め出された後にも、保育の場で活用されつづけることの一翼を担った。4)子どもの心をはぐくむ紙芝居の絵にこだわり、紙芝居を視覚メディア、また対話のできるメディアとして捉え、教条主義、徳目主義に陥らない教育に有効な教具と考えた。以上4点を、本稿の考察を通して明らかにした。
- 2007-12-20
著者
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