五島中央病院における大腸癌周術期成績-腹腔鏡下大腸切除術の役割-

概要

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【目的】当院での大腸癌手術における周術期手術成績を術後入院日数と術後合併症の観点から検討し, これらに影響する因子を再検討する. 【対象】2006年1月から2009年8月までに当院にて大腸癌切除手術を施行した137例. 平均年齢71.5±10.8歳, 性別は男性75例, 女性62例, 術死なく, 在院死は5例(癌死2例、他病死3例)であった. 腹腔鏡手術は23例に施行. 術後入院日数と術後合併症に影響する因子について, 検討項目を術前因子, 手術因子, 腫瘍因子, 術後因子に分類して, 単変量解析(t検定, Mann-Whitney U検定, 相関係数)を施行し, 多変量解析にて算出した. 【結果】術後入院日数に関して多変量解析すると, 腹腔鏡下手術で入院日数が短縮しており, 認知症・精神疾患, TPN栄養, 術後合併症, 輸血, PS異常群が術後入院日数を延長していた. 術後合併症に関しては, 認知症・精神疾患群のみが術後合併症群に影響していた.【考察】腹腔鏡下大腸手術は, 術後入院日数短縮に寄与しており, 今後術前栄養状態不良例に介入することにより, 入院期間がより短縮化する可能性が示唆された. 認知症・精神疾患は術後入院日数, 術後合併症の大きな危険因子であり, 適切な対応が必要であると思われた.
長崎大学の論文
2009-12-25