緊急手術にて大量腸管切除を免れた急性上腸間膜動脈塞栓症の1例

元データ 2010-06-25

概要

症例は78歳女性、2009年5月27日午後8時頃より上腹部痛と下痢が出現し救急外来受診。急性腸炎が疑われ入院した。 5月28日午前1時、下血・嘔吐を認めた。腹部CTでsmaller SMV signとSMA起始部から4.5cmのところでの閉塞を認めた。慢性心房細動でワルファリン内服中であったがPT-INRは1.07であった。午前4時、急性SMA塞栓症の診断で緊急手術を開始した。トライツ靭帯から30cmの空腸から盲腸まで暗赤色調を呈していた。SMA根部同定後、切開しFogartyカテーテル挿入し血栓を除去した。空腸の色調は回復したが、一部回腸の色調が回復しなかったので回盲部切除を施行し、回腸瘻を造設した。術後39日目にSMA造影を施行し良好な血流を確認、48日目に回腸瘻閉鎖、73日目に退院した。急性SMA塞栓症は予後不良の転帰をたどることが多く、心房細動などの基礎疾患を有する急性腹症の患者では積極的に本疾患を念頭に置き、診断と治療を行う必要がある。

著者

平原 正隆 長崎県五島中央病院外科
古井 純一郎 長崎県五島中央病院外科
大野 毅 長崎市民病院外科 同放射線科 同病理診断科
平原 正隆[他] 長崎県五島中央病院外科

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