乳癌縮小手術導入と高齢化からみた当院の過去17年における乳癌治療の変化

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【目的】当院での過去17年間にわたる乳房温存療法とセンチネルリンパ節生検(SLNB)の導入に代表される乳癌術式の変化と発症年齢の変化について明らかにする。【対象と方法】1993年1月から2010年12月までの当院で施行された原発性乳癌758例を対象とした。各年における男女数、左右数、乳房術式、腋窩術式、平均発症年齢について検討した。【結果】758例全例について、平均年齢は58.7±13.0歳、女性752例、男性5例、左側347例、右側385例、両側同時性17例であった。17年間の乳房術式の内訳は、乳房温存手術が303例(39.1%)、乳房全摘術は449例(57.9%)であった。乳房温存手術は1994年から導入され徐々に増加し年間乳房温存率は2006年で60%となり、その後は増加傾向を認めなかった。腋窩術式は、SLNBは17年間で112例であり、このうち腋窩郭清省略例は71例(63.4%)、バックアップ郭清を含めた腋窩郭清追加例は41例(36.6%)であった。年間SLNB率の推移は、2007年では14.8%、2010年で81.8%と急激に増加していたことが明らかとなった。発症年齢に関して、平均発症年齢は1994年で55.4歳であったが2009年では65.4歳と10歳以上も高齢化していた。【結語】この5年ほど温存手術は60%ほどで増加傾向にはない。これに対してSLNBはこの5年ほどで急激に増加傾向にあり、80%以上となった。本検討により当院での乳癌手術の主流がまさに大きな変化を遂げたことが明らかとなった。また発症年齢の高齢化が明らかとなり、放射線治療を必要とする温存手術に対して抑制的な影響が考えられた。
2011-12-25

乳癌縮小手術導入と高齢化からみた当院の過去17年における乳癌治療の変化

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