イソガニ血リンパ液中のテトロドトキシン結合物質の精製と特性
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概要
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テトロドトキシン(TTX)は古くからフグ毒の主成分として知られる。1964年にカリフォルニアイモリの毒がTTXに同定されて以来,これまでに微生物から両生類にいたる多種の生物に存在することが明らかにされてきた。TTXは神経細胞のNaチャンネルを選択的にブロックして,神経の興奮を阻害する作用を持つ神経毒であるとされている。TTXを保有しない一般の硬骨魚類のTTXの腹腔内投与に対する抵抗性はマウスと同程度の体重20g当たり約1MUである。これに対して、TTXを保有するフグ有毒種は体重20g当たり300-750MUの高いTTX抵抗性を示すことが知られている。いっぽう,イワガニ科に属するイソガニがTTXを保有しないにもかかわらず,体重20g当たり23MU程度の比較的高い抵抗性を示す原因についても究明されており,イソガニのリンパ液中にTTXと結合してTTXの毒性を低下させる高分子物質が存在するためであることが示唆されている。本研究では,イソガニの血リンパ液中に発見されたTTX結合物質の生理機能や役割を解明するための一環として,同物質を精製して2,3の物理化学的性状について検討した。
- 福山大学の論文
著者
-
松居 隆
東大院農
-
山森 邦夫
北里大学水産学部魚類生理学教室
-
楠田 理一
福山大学海洋生物工学科
-
松居 隆
東京大学大学院農学生命科学研究科
-
山森 邦夫
東京大学農学部
-
山森 邦夫
北里大学水産学部
-
河原 栄二郎
福山大学海洋生物工学科
-
金辻 宏明
滋賀県水産試験場
-
楠田 理一
福山大生命工
-
河原 栄二郎
福山大生命工
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