エクアドルのリーシュマニア症流行地におけるサシチョウバエの遺伝子タイピング法の確立(寄生虫病学)
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概要
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リーシュマニア症を媒介するサシチョウバエの簡便な種の鑑別法を確立することを目的とし,PCR-RFLP法を用いた遺伝子タイピング法の開発を行った.エクアドルのリーシュマニア症流行地9地点でサシチョウバエを採取し,形態学的に種を同定した.得られた7種のサシチョウバエからDNAを抽出,PCRにより18S rRNA遺伝子の増幅を行い,それらの塩基配列を解析した.増幅した遺伝子断片を制限酵素で処理し,切断パターンを解析したところ,AfaIによる切断で7種のうち3種が特徴的なパターンを示し,残りの4種は2つのパターンに分類された.これら4種の検体については,さらにHinfIで処理することにより鑑別することができた.また18S rRNA遺伝子の同種内での多型性を調べるため,採取した9地点から得られた7種のサシチョウバエを用いて制限酵素切断パターンを検討した.その結果,6種のサシチョウバエはどの地点から採取した検体においても同種内ではAfaIおよびHinfI処理で同じパターンを示し,残りの1種ではAfaIによる切断パターンに影響を及ぼす多型性がみとめられたが,その切断パターンも種特異的であり,鑑別に影響をおよぼすものではなかった.以上の結果から,本研究で確立したサシチョウバエ遺伝子タイピング法は,リーシュマニア流行地におけるサシチョウバエの分布を調査する上で有用な方法であると考えられた.
- 2008-09-25
著者
-
加藤 大智
山口大・獣医衛生
-
寺山 好美
山口大・獣医衛生
-
岩田 祐之
山口大・獣医衛生
-
橋口 義久
高知大・医・寄生虫
-
寺山 好美
山口大学農学部獣医衛生学研究室
-
加藤 大智
山口大学農学部獣医衛生学研究室
-
GOMEZ Eduardo
エクアドル厚生省マラリア撲滅対策研究所オンコセルカ部門
-
上里 博
琉球大学医学部皮膚科学教室
-
CALVOPINA Manuel
高知大学医学部寄生虫学教室
-
岩田 祐之
山口大学農学部獣医衛生学研究室
-
橋口 義久
高知大学医学部寄生虫学教室
-
上里 博
琉球大学皮膚科
-
橋口 義久
国立高知病院 診療部臨床検査科
-
上里 博
琉球大学医学部器官病態医科学講座皮膚科学分野
-
上里 博
琉球大学 医学部医学科器官病態医科学講座皮膚科学分野
-
上里 博
琉球大学医学部附属病院皮膚科
-
上里 博
水戸済生会総合病院 皮膚科
-
岩田 祐之
山口大学農学部家畜衛生学教室
-
Calvopina Manuel
高知大・医・寄生虫
-
Calvopina Manuel
山口大学 獣医衛生
-
Gomez Eduardo
山口大学 獣医衛生
-
橋口 義久
高知医科大学
-
Iwata H
Yamaguchi Univ. Yamaguchi Jpn
-
上里 博
琉球大学医学部器官病態医科学講座皮膚科
-
上里 博
琉球大学医学部医学科器官病態医科学講座皮膚科学分野
-
Iwata Hiroyuki
Yamaguchi Univ. Yamaguchi
-
Inokuma Hisashi
Laboratory Of Veterinary Internal Medicine Faculty Of Agriculture Yamaguchi University
-
岩田 祐之
山口大学農学部
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