看護師がスピリチュアルペインを語る意味
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概要
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【目的】関係性のスピリチュアルペインを持つ看護師がその苦しみを語ることの意味を探求する。【方法】認定看護師教育課程緩和ケアコースに在籍し、関係性のスピリチュアルペインを他者に語る事に同意した6名に個別面接2〜3回、グループ面接を1回行い、各自のスピリチュアルペインを傾聴し、共感し、必要時、その苦悩を乗り越えるためにアドバイスした。その後、自らのペインを語る意味をインタビューした。【結果】看護師たちの苦しみを他者に語る意味は、(1)自らのスピリチュアルペインの癒し(戸惑い、苦しみへの意識の志向、苦しみからの離脱、新しい自己への脱皮の4要素からなる)(2)支援者としての意識の明確化であった。【考察】看護師たちが自己のスピリチュアルペインを癒せたのは、語ることによるペインの認識と問題の外在化、他者からの承認を通じて、関係性の痛みを自己から切り離し、新たなに価値ある自己を捉え直せたことによると考えられた。また、関係性の痛みを癒した看護師は、実感として患者のスピリチュルペインを察知できるようになるだけでなく、患者のペインに向かい合おうという役割意識を明確に持てることが示唆された。【結論】看護師が自らのスピリチュアルペインを語る意味は、自らのスピリチュアルペインの癒しと支援者としての意識の明確化であった。
- 埼玉県立大学の論文
著者
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松村 ちづか
埼玉県立大学保健医療福祉学部看護学科
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松村 ちづか
聖路加看護大学 生命倫理学
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星野 純子
埼玉県立大学保健医療福祉学部看護学科
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筑後 幸惠
埼玉県立大学保健医療福祉学部看護学科
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筑後 幸惠
埼玉県立大学
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筑後 幸惠1)
1)埼玉県立大学保健医療福祉学部看護学科 2)越谷保健所
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松村 ちづか
越谷保健所
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