精神薄弱児の行動調整の発達に関する方法論的検討 : 重度児の把握運動を中心に

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概要

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話しことば獲得期前にある重度児の行動調整を、把握運動を指標に、観察法と実験法によって検討した。実験Iでは、観察による健常乳幼児の結果から、身体全般および把握運動の記述的な発達段階を仮定し、これに基づいて重度児の結果を発達的に序列化した。この結果、重度児の身体の全般的発達の不均衡さが著しい点、年齢と発達との対応関係がみられない点などが指摘された。また、反射的把握→ 掌把握→つまみ把握→ 調整的把握→ 予測的把握の5段階からなる把握運動の記述的な発達段階が示された。実験IIでは、Luriaの研究を参考に3段階の行動調整の仮説的発達段階を設定し、実験的な検証、定量化を試みた。この結果、健常乳幼児、重度児の把握運動は後続する物理的刺激によって解発され、増加された。これによって、本研究の仮説的発達段階の第1段階の存在が示唆され、この段階の行動調整の実験的検証の可能性を示した。
日本特殊教育学会の論文
1980-03-15

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