病弱・虚弱児教育の研究における方法論的検討

概要

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病弱・虚弱児教育の研究がかかえる基本的問題は、精神身体医学が今日それの支えになっているとはいえ、その基本的視点を生み出す方法論上の吟味・検討の欠如にあるように思われる。このことが医・心・教という異質な3領域に亘る病弱・虚弱児教育の研究にその統合性を欠く結果を招いている。こうした現状を打開していくため、病弱・虚弱児教育の研究を現象学的方法にもとずき、対人関係を軸とする人の科学のうちに基礎づけていく必要がある。その際、病弱・虚弱児教育の研究の次のような具体的あり方が明らかにされる。1.病気や虚弱は子どもにとって主観的な意味体験事象(病気像や身体像)としてある。従って、病気や虚弱は医療者だけの問題ではない。2.病気や虚弱は子どもにとって人間的健康実現への契機となりうる。従って、病気や虚弱の治癒のみが病弱・虚弱児教育の研究が果たす目的とはならない。おわりに、本稿は「病弱・虚弱児教育に関する総合的研究」という主題のもとに、筆者ら(大阪教育大学・病・虚弱児教育教員養成課程)が検討しているものの一部分である。以後、病弱・虚弱児教育にかかわる基本的問題について、その検討をまって、継続的に公表したいと考えていることを付記しておきたい。
日本特殊教育学会の論文
1975-03-15

病弱・虚弱児教育の研究における方法論的検討

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