病弱児の現象学的理解 1 : 病気像(Disease Image)の発達的様相-病気像を構成する意味体験カテゴリーの年令的推移からの検討
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概要
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先の報告「病弱・虚弱児教育の研究における方法論的検討」を具体化する第一歩として、ここでは、病気像を構成する意味体験カテゴリーの発達に伴う推移を中心に検討が加えられた。その際、あわせて、子どもを理解・援助する手だてに関して考察が試みられた。Kuhn M.H.らの20答法にならい、"私の病気"を主題とする「病気像調査」が、一般小学校在籍の児童246名と病弱養護学校在籍の児童130名に実施された。その結果:1 いずれの児童も共通して基本的には病気と敵対的なかかわり方をしている、2 いわゆる健康児が抱く病気像には発達に対応する推移がみられるが、病弱児の場合、こうした推移は必らずしも明確ではない、3両者のこうした違いは病気に対する自我関与の程度の違いであるように思われる、4 病弱児の場合、病気への過度な自我関与が予測されるゆえ、それから自由になる手だてとして、エンカウンター・グループ的試みの有効性が推察される。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1976-12-15
著者
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