患者(児)の理解をめぐる方法論的検討(第1報) : 心理学における"病気"研究の諸問題
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概要
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本稿は患者(児)の理解に迫るひとつの方法論的観点である「病気像」(disease image:体験的意味事象としての病気)の着想に至るまでの一報告である。ここでは次のことが指摘される。すなわち身体的疾患が心理学的にとりあげられる正当性があるにもかかわらず,それがこれまで主題となることがきわめて少なかった。その最大の理由は身体的疾患を有機体的な異常事象だとみなす客観的な外側からの見方のみに偏りすぎてきたためである。そこで病気を患者(児)が体験している意味事象として把える現象学的な内側からの見方から病気像として取らえ直してみる必要があるということである。The purpose of this study is to clear up the process to get to the idea of "disease image", which is the event of personal experience. Although physical disease should be studied also in the field of psychology, it has been done very scarcely, probably because physical disease are viewed only from the objective and external standpoints. In this study it is emphasized that physical disease should be viewed from the subjective and internal standpoints, where patients are able to feel actually.
- 大阪教育大学の論文
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