難病疾患患者における包括的QOLの特徴と類似点
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概要
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"【目的】本研究では,厚生労働科学研究・特定疾患の疫学研究における地域ベースコホート研究上の全登録特定疾患において,個々の疾患における患者のQOLの特徴を観察し,共通点を見出すことを目的とした.【方法】全国37箇所の保健所において特定疾患医療受給をしている者を対象とした.一般的QOL尺度である36各下位尺度のスコアを変数として,疾患別のクラスター分析を行ない,グループ分けをした.その後,各グループにおける特徴を,特定疾患患者に共通のQOL尺度の得点,ADL,年齢,性別などから分析した.【結果】2003年までの研究期間に通算して,SF-36と特定疾患患者に共通のQOL尺度の両方に回答したものは32疾患,2,380名であった.疾患系統別に見ると,神経-筋疾患患者が1,560名,免疫系疾患患者が153名,消化器系疾患が120名,皮膚・結合組織疾患が65名,血液系疾患患者が53名,その他(不明含む)429名であった.クラスター分析の結果,QOLの傾向別に特定疾患を4グループに分類することができた.8つの下位尺度得点が一様に国民標準値と比較して低い値を示すが,志気は保っているグループ1,同様に全体的に低い値を示し,特に身体機能においての低値が顕著で,志気や疾患の受容においても問題が見られるグループ2,社会生活機能において,低い評価が見られるが,その他の項目においては,国民標準値と同等の項目もあり,他群と比較すれば良好であるグループ3,全下位尺度においてQOL得点が非常に低く,特に身体機能は,国民標準値と比較して著しく低い値が見られたグループ4の4つである.【結論】現在45の特定疾患は血液系疾患,免疫系疾患,内分泌系疾患というような系統分類に基づく疾患群として扱われるが,いくつかの疾患においては,そうした疾患群による分類と患者自身が評価する主観的健康(QOL)のプロファイルによるグループとの間には隔たりがあり,患者のケアや福祉政策においては後者の参照が有効な手段であることが示唆された."
著者
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坂田 清美
健康科学大学
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坂田 清美
岩手医科大学 衛生学公衆衛生学
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坂田 清美
千代田区神田保健所
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坂田 清美
国立保健医療科学院
-
坂田 清美
岩手医科大学医学部衛生学公衆衛生学講座
-
坂田 清美
結核予防会第一健康相談所 生活習慣病研究センター
-
坂田 清美
国立長寿医療センター 先端医療部
-
"三徳 和子
川崎医療福祉大学医療福祉学部保健看護学科
-
坂田 清美
麹町保健所
-
松田 智大
国立がんセンターがん対策情報センターがん情報・統計部
-
新城 正紀
沖縄県立看護大学公衆衛生学疫学
-
眞崎 直子
福岡県久留米保健福祉環境事務所
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平良 セツ子
沖縄県宮古福祉保健所
-
丹野 高三
岩手医科大学公衆衛生学教室
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蓑輪 眞澄
聖徳大学生活文化学科
-
坂田 清美"
岩手医科大学公衆衛生学教室
-
新城 正紀
沖縄県立看護大学
-
新城 正紀
琉球大学 保健医
-
三徳 和子
川崎医療福祉大学医療福祉学部保健看護学科
-
三徳 和子
岐阜県関保健所
-
蓑輪 眞澄
聖徳大 人文
-
三徳 和子
川崎医療福祉大 医療福祉
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松田 智大
国立がんセンターがん対策情報センターがん情報・統計部地域がん登録室
-
松田 智大
国立がんセンター がん対策情報センター がん情報・統計部
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