自己開示性と重要他者との関係 : 青年期について
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概要
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本研究の目的は、青年期にある者を対象として、彼らが自己開示し相談できる相手、尊敬している人、自己決定に際し大きな影響を受ける他者等をあきらかにし、今後の精神保健活動に役立てることにある。調査対象 平成12年7月、沖縄県の短期大学2年生(女子)47名である。 調査方法は質問紙法であり、(1)生き方、性の問題、結婚、困ったときなどに誰に、どのくらい、話をしたり相談したりするか(2)尊敬する人、結婚生活について考える際に影響を受けたものなどであった(調査票は1984年上田作成を用いた)。結果:1)、青年期にある者の自己開示の程度は項目によって誰にどの程度話すかに違いがあった。2)、彼らが全ての項目で最も自己開示できる相手は友人であった。友人に全部話すものの割合は、生き方57%、性の問題70%、結婚について68%、困っているとき85%であった。これは他の人たちに対する自己開示に比べ非常に大きな割合であった。 3)母親に何でも話せる者は生き方27%、結婚24%、困ったとき30%であり三項目とも第2位であった。4)全ての項目につき自己開示できる相手(少し話すも含めて)の平均は友人94%、母親58%、きょうだい55%、先輩38%、父親34%、親しくないが信頼できる人26%、先生20%、祖父母13%、親戚10%であった。5)性について自己開示する相手は友人93%、きょうだい41%、先輩36%、親しくないが信頼できる人23%、母親20%、先生14%、父親7%、親戚5%、祖父母0%であり母親、父親の割合は低かった。6)父親について 父親への相談は母親にくらべかなり順位は低かった。 しかし、結婚条件として求める事や、結婚したらどんな夫婦になりたいかなどにおいて子どもの考え方に父親は強く影響を及ぼしていることが明らかになった。 以上の結果から青年期にあるものの重要他者としては一位が友人、2位母親、きょうだい、先輩、父親の順であった。ゆとりがなく他者との信頼関係を築くのに努力を要し、きょうだいの数が減少してきている時代に、彼らが安心して自己開示できる人々に出会え豊かな人間関係を築けるよう周りの大人達の配慮が必要であることが示唆された。
- 沖縄県立看護大学の論文
著者
-
新城 正紀
沖縄県立看護大学公衆衛生学疫学
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新城 正紀
沖縄県立看護大学
-
新城 正紀
琉球大学 保健医
-
天野 洋子
沖縄県立看護大学
-
安里 葉子
沖縄県立看護大学
-
上田 礼子
沖縄県立看護大学
-
上田 礼子
東京医科歯科大学医学部保健衛生学科
-
上田 礼子
東京大学医学部
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