幼児の自己概念測定に関する予備的研究 : Harter Modelの日本への適用

概要

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本研究は幼児の自己概念(自尊心)測定のためにHarterによって開発されたPictorial Scale of Perceived Competence and Social Acceptance for Young Childrenを日本の幼児に適用できるか, また健康障害児の支援に役立つか否かを検討した予備的研究である。検査は園児85名を対象に個人面接法で実施し, 担当教諭(保母)による評点も得た。その結果, (1)24項目中3項目の得点がかなり低かったこと, (2)幼児の自己概念評価に性差はなかったが, 年齢差がみられること, (3)幼児の自己評価と教諭・保母評価との間には有意差のあることが明らかになった。さらに事例研究から, (4)健康障害や母親の受容は幼児の自己概念に影響するらしいこと, (5)幼児の自己評価はある程度安定性があるらしいこともわかった。これらの結果から本スケールは若干項目の修正を必要とするが, 日本幼児にも適用できること, 自己概念測定は健康障害児の支援にも役立つ情報源となることが示唆された。