救急搬送された小児の事故の実態と予防対策
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概要
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不慮の事故による死亡は氷山の一角で、その背後には死亡にはいたらない多くの事故経験があるといわれている。また、子どもの事故は、家庭の身近な日常生活の中で多発しているといわれている。まだ、その実態は十分に把握されていない。著者らは1995年1月1日〜1999年12月31日までの5年間に石川保健所およびコザ保健所管内の10消防本部によって事故のために病院へ救急搬送されたO〜4歳児を対象とした調査を実施した。調査項目は、搬送された子どもの基本属性、搬送人数、事故発生日、覚知時間、発生場所、救急車到着までの応急処置、救急隊による処置、事故内容および部位、傷病名などについてであった。男女別では男が58.8%で、女が41.2%で男が多かった。年齢別ではO歳が17.7%、1歳が23.1%、2歳が19.5%、3歳が20.6%、4歳が19.1%で、1歳と3歳に多くなる傾向があった。分析した結果、以下のことが明らかとなった。1)小児の発育・発達に応じた事故の発生が示唆され、事故防止のためには、発育・発達に応じた対策が重要である。2)沖縄県における子どもの事故は、発生月や発生時間、事故内容などに特徴がみられた。3)こどもの事故の発生場所、事故の種類、事故内容、部位、傷病などの関連性について事故防止の視点から分析し、子どもの事故はいつでも、どこでも起こる可能性があることを親や周りの大人が認識すること、子どもを含む人間の行動や子どもが生活する環境など多方面からの対処・対策を心がけることが事故防止にとって重要である。
- 沖縄県立看護大学の論文
著者
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新城 正紀
沖縄県立看護大学公衆衛生学疫学
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新城 正紀
沖縄県立看護大学
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新城 正紀
琉球大学 保健医
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上原 真理子
沖縄県立宮古福祉保健所
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赤嶺 伊都子
沖縄県立看護大学
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比嘉 桂子
沖縄県石川保健所
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上原 真理子
沖縄県石川保健所
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比嘉 文子
沖縄県石川保健所
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糸数 公
沖縄県コザ保健所
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譜久山 民子
沖縄県石川保健所
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譜久山 民子
沖縄県南部福祉保健所
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上原 真理子
沖縄県福祉保健部
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