<総説>主観的健康感と死亡率の関連に関するレビュー
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
"主観的健康感の関連研究から,主観的健康感は死亡率に対し独立した寄与因子であることが指摘されている.そうであるなら死亡率に与える効果の大きさには,死因や性別,年齢および観察期間によって差異はあるのかという疑問が生じる.この問題は主観的健康感の意義を解釈をしたり保健活動への応用を議論する上で重要と思われる.本研究の目的は,主観的健康感と生命予後との関連性について,これまでの研究成果を整理し,今後の研究の方向と課題を提示することである. 主要な結果は以下のとおりである. (1)主観的健康感の低い者のその後の生存妥当性が低いことは,大多数の研究で確認されたが,そのメカニズムに関する詳細な研究報告は見あたらなかった. (2)主観的健康感と死亡との関連性の強さは,男女間で差がないとする報告と男性により強い関連性がみられたとするとする報告とがあった. (3)年齢は多くの研究で潜在的交絡因子として調整され,死亡率との関連性を年齢別に観察した研究は少なかった.いくつかの報告では関連性は高齢者のみではなく中年や若年者年齢層にもみられること,85歳以上では関連が弱いことが示されている. (4)主観的健康感の良否と死因とに関する追跡研究は,主観的健康感の低い者は高い者に比べて心血管疾患やがんによる死亡危険度が有意に高いことを明らかにしている.また最近では,死亡率に与える効果には,死因によって強弱の差があることも示されている. 以上の結果から,主観的健康感はその後の生存とその予測等に関連していることが明らかとなったが,主観的健康感が生命予後に対する予測効果をなぜ持つのかを明らかにすることが今後の課題である."
- 川崎医療福祉大学の論文
著者
-
"三徳 和子
川崎医療福祉大学医療福祉学部保健看護学科
-
星 旦二
東京都大 都市研
-
星 旦二
首都大学東京 都市環境科学研究科
-
高橋 俊彦
首都大学東京・都市システム科学専攻
-
三徳 和子
岐阜県関保健所
-
星 旦二
首都大学東京
-
三徳 和子
川崎医療福祉大 医療福祉
-
星 旦二"
首都大学東京都市科学研究科
-
高橋 俊彦
首都大学東京都市システム科学専攻域
-
高橋 俊彦
首都大学東京・都市システム科学域
関連論文
- 山間部に暮らす高齢者の交流状況と生命予後との関連
- 乳幼児施設におけるノロウイルス集団感染事例の記述疫学的解析 : 臨床症状と感染の特徴
- 都市在宅高齢者における社会経済的要因および健康三要素とその後の生存日数の因果構造分析
- 看護学教科書におけるたばこ問題関連事項の記述
- 震災時の一時避難可能性と累積生存からみた地域保健活動
- 全国の市町村が実施している1歳6ヵ月児健康診査の状況 : 特に人員配置の状況を中心として
- 保健所・市町村での政策的動向〔英文〕 (地域保健医療の政策的動向〔英文〕)
- 介護保険制度改正に伴う要介護度別の効用値の測定,および都道府県の加重障害保有割合(WDP)と障害調整健康余命(DALE)の算出
- ヘルス・プロモーションにおける住民参加とエンパワーメント
- これからの教科「保健」を考える : 教科「保健」への期待
- 都市在住高齢者の身長、BMI別にみた生存日数と社会経済環境との関係
- 都市在宅高齢者における社会経済的要因と幸福感・生活満足感・主観的健康感の構造分析
- 難病疾患患者における包括的QOLの特徴と類似点
- 都市在宅高齢者における災害時避難可能性の実態とスクリーニング関連要因
- 高齢者のための生きがい対象尺度の開発と信頼性・妥当性の検討 : 生きがい対象と生きがいの型の測定
- 高齢者における社会的支援の認知および構造とNK活性の関係に関する研究
- 都市部高齢者における3年後の要介護度維持・改善を規定する要因
- 都道府県別平均寿命の較差に関する研究
- 高齢者における「生きがい」の地域差 : 家族構成、身体状況ならびに生活機能との関連
- エンパワーメントに関する理論と論点 (特集 人々の健康を支援する方法)
- 健康日本21のめざすもの (特集 健康増進法と健康日本21)
- 「パートナーシップ」が保健師にもたらすもの (特集 わたしは住民のパートナー)
- 都道府県別要介護認定割合の較差と保健師活動との関連
- ***の身体計測値の15年間経年変化
- 市町村が実施する乳幼児健康診査における保健婦稼動状況
- 主観的健康度と社会ネットワークとの関連
- 全国12県81第二次医療圏における高齢者入院医療費の構造分析
- 市町村が実施している6カ月児と9カ月児健康診査のマンパワー体制
- わが国の医療機関に入院ないし施設に入所している高齢者における尿失禁有症者数の推計
- 老人医療費の構造分析
- 自律高齢者における老研式活動能力指標得点の変動 : 生活機能の個別評価に向けた検討
- 住民グループ活動の可能性を広げる保健師の役割--『地域保健スタッフのための「住民グループ」のつくり方・育て方』を出版して
- 対談 「健康」で住宅の話をしよう (特集 『健康』でつくる省エネ住宅)
- 507 都市圏郊外住宅地における住まい・コミュニティの健康形成要因に関する研究 : (その3)居住意識と健康関連項目の相関分析(環境工学)
- 506 都市圏郊外住宅地における住まい・コミュニティの健康形成要因に関する研究 : (その2)多母集団同時分析による属性間の異質性に関する検討(環境工学)
- 都市在宅高齢者に対する自記式質問紙調査回答割合の関連要因と選択バイアス
- 都市部常勤女性と専業主婦別にみた生活満足感と関連する要因の共分散構造分析
- 都市在宅居住高齢者における主観的健康感の三年後の経年変化
- 都市在宅前期高齢者における就労状態別にみた3年後の累積生存率
- 40479 居住環境における健康維持増進に関する研究(その13) : 北九州市における予備アンケート調査結果(健康維持増進(2),環境工学I)
- 都市の健康水準と都市部在宅高齢者の健康長寿規定要因
- 都市在宅高齢者における精神的健康と身体的健康の経年変化とその因果関係
- 40478 居住環境における健康維持増進に関する研究(その12) : 住まいとコミュニティが住民の健康維持増進に与える効果のアンケート調査概要(健康維持増進(2),環境工学I)
- 7373 集合住宅居住都市高齢者の低階層移動とその三年後の生存(都市居住と高齢者サービス,都市計画)
- 介護施設内の高齢者虐待防止にむけて、第三者機関活用に関する研究 : 国保連合会「苦情処理業務」の取組から
- 都市部在宅前期高齢者における就労状態別にみた主観的健康感の関連要因
- 都市部青壮年女性の就業状態における生活満足感の規定要因に関する研究
- 505 都市圏郊外住宅地における住まい・コミュニティの健康形成要因に関する研究 : (その1)共分散構造分析による2次因子モデル・多重指標モデルの提案(環境工学)
- 首都圏A市在宅高齢者の知的能動性と5.9年間追跡生存予後に基づく認知症見逃し割合--家族が認知症と認識している群とそれ以外の群との比較から
- QOL向上を目指す口腔ケアと健康長寿
- 保育施設におけるノロウイルス集団発生予防システムの構築とその検証
- 主観的健康感と死亡率の関連に関するレビュー
- 高齢者の健康関連要因と主観的健康感
- 都市高齢者の外出行動を決定する身体的健康、社会参加に関する構造解析
- 都市在宅高齢者における等価収入と幸福感・生活満足感・主観的健素感の構造分析
- 超高齢社会の住宅、住環境と外出する力--高齢者にとって階段は本当にバリア(障壁)なのか?
- 特集 生涯健康支援--ヘルシーカンパニーの構築
- 全国いきいき事例ファイル(4)蘇陽町における健康な地域づくり活動経過から学ぶこと
- ヘルスプロモーションは保健活動の専売特許ではない (特集 各方面で進む「ヘルスプロモーション」)
- 地域づくり活動における担い手及びコミュニティのエンパワメント過程とその相互作用に関する研究
- セルフヘルプ・グループにおける参加者のエンパワメント過程--炎症性腸疾患患者会会員に注目して (特集 都市の主体と自治)
- 優秀賞 保健師が主体的に担う地域づくり活動--事例から学べた地域活性化への展望 (特集 懸賞論文結果発表) -- (論文・活動報告部門 テーマ:コミュニティ活性化に保健師の技術を役立てる)
- 女性高齢者のライフ・サティスファクションに関する検討--先行研究の文献レビューから
- 健康維持のための運動と継続--老人保健事業と介護予防事業との関連 (特集 運動継続)
- Interview 星旦二氏 東京都立大学大学院教授--スピリチュアルな健康感で「生涯現役」を目指そう!
- ヘルスプロモーションと市民の健康づくり--市民と行政と関係機関の協働 (特集 市民の健康・自治体の関わり方)
- 都市の健康生活 (特集 都市生活と健康問題)
- リレーオピニオン(5)インフルエンザ対策
- 高齢者の健康づくりにおける主観的健康感のすすめ (日本社会の高齢化と生きがい問題の諸相)
- Globol Standardの視点からの医療(40)英国保健医療改革からみた保健医療の展望
- 常識を覆す長生き学 住民参画のヘルスプロモーションが鍵
- 大会長講演 都市高齢者の健康とヘルスプロモーション (特集 [日本保健医療社会学会]第34回大会(2008年度)首都大学東京)
- 講演 新しい健康支援活動--地域・住民、職場・労働者が変わる(成長する)健診とは (特集 日ごろからの健康づくりと健診)
- データ分析に基づく健康づくり実践効果 (特集 地域健康を高めるまちづくり)
- 都市郊外自治体の平均寿命、要介護認定割合の実態と健康寿命を規定する各要因の因果構造
- 家族が行う認知症判断の確かさ;介護保険による認知症認定率と先行研究における死亡率との比較検討から
- 地域における介護予防の対象とその意義--高齢者のQOLの維持は可能か (特集 介護予防)
- 中国の都市高齢者における主観的健康感の構造に関する研究
- 高齢者における主観的健康感の有用性に関する研究 : 日本と中国における研究を中心に
- 地域保健の立場から
- 都市在宅高齢者における緑に関連する楽しみと生きがいの実態と主観的健康感との関連
- 都市住民における歯科医院への受診状況からみた口腔衛生状態とQOLとの関連
- 456 都市圏郊外住宅地における住まい・コミュニティの健康形成要因に関する研究 : (その4)住民の主観評価と地理的客観指標の相関分析(環境工学)
- 459 都市間比較による住宅・地域環境の健康決定要因に関する研究 : (その1)多変量解析に基づく郊外3都市の異質性に関する検討(環境工学)
- 458 都市圏郊外住宅地における住まい・コミュニティの健康形成要因に関する研究 : (その6)多変量ロジスティック回帰分析を用いた健康形成要因の探索(環境工学)
- 457 都市圏郊外住宅地における住まい・コミュニティの健康形成要因に関する研究 : (その5)地理・社会的要素を考慮した健康形成の階層性に関する基礎的検討(環境工学)
- 都市に居住する在宅高齢者の主観的健康感の実態とその構造 (特集 都市復興と都市の安全・安心をめざす都市づくり研究)
- 都市郊外在宅高齢者の身体的,精神的,社会的健康の6年間経年変化とその因果関係
- 幼児期の母親における子育てに関する認識の構造分析
- 「質」を加味した高齢者健康指標の考え方と現状 (特集 医療・経済・社会)
- 茨城県5市町における障害者の割合の経年変化による介護予防事業のアウトカム評価の試み
- 都市部地域在宅高齢者の認知症見逃し割合は着実に減少 : 6年間の追跡調査より
- 生活実態調査に基づく高齢時代の健康づくりとコミュニティ活動の関連性--多摩市在宅高齢者の健康規定要因の構造分析に関する研究
- 4037 構造方程式モデリングに基づく住宅・地域環境の健康影響評価(環境工学)
- 4010 住民の住まい・コミュニティに対する意識と健康面の相関分析(環境工学)
- 都市郊外在宅高齢者の身体的, 精神的, 社会的健康の6年間経年変化とその因果関係
- 首都圏における児童生徒の Well-Being と保護者の認識との関連と構造
- 都市の健康水準と都市部在宅高齢者の健康長寿規定要因
- 都道府県別要介護認定割合の較差と,保健師配置数および高齢者就業率との関連に関する資料
- 地域在住高齢者の転倒の関連要因と3年後の生存