群馬県N町在住高齢者の加齢による身体栄養状態の変化に関する実態調査

概要

論文の詳細を見る
本研究は,65歳以上の健康な地域在住高齢者の(対象者95名)栄養状態を把握し,栄養教育における課題を抽出することを目的とした。ベースラインの調査は,2000年に行い,追跡調査を2005年に行った。5年間に,男女ともに身長,体重が有意に低下していた。血液性状は,2000年に比べて2005年で赤血球数,ヘモグロビン濃度,アルブミン濃度およびHbA1c濃度が有意に低下し,HDLコレステロール濃度が有意に増加していた。しかし,アルブミン値が3.8g/dl未満の高齢者は一人もみられなかった。栄養素等摂取状況は,2000年に比べて2005年で男性ではビタミンCおよび鉄摂取量が有意に低下していた。女性ではビタミンB2,鉄摂取量が有意に低下していた。そこで鉄不足状態が発現する可能性についてヘモグロビン値を元に正常群(男性 : Hb≧13g/dl, 女性 : Hb≧12g/dl),鉄不足群(男性 : Hb<13g/dl, 女性 : Hb<12g/dl)の2群に分けて検討したところ,鉄不足群は2000年においては11名であったのに対し,2005年には26名に増えていた。性,年齢を補正した結果,正常群に比べて鉄不足群で,2000年時におけるたんぱく質,鉄およびビタミンB12摂取量が有意に低値を示した。以上の結果より,本研究対象者において低アルブミン血症を示す高齢者は観察されず,たんぱく質栄養状態は全対象者で良好であった可能性,2005年で増加した鉄不足状態の発現には,2000年におけるたんぱく質,鉄およびビタミンB12等の摂取量の不足が関わる可能性が示唆された。
2008-03-15

群馬県N町在住高齢者の加齢による身体栄養状態の変化に関する実態調査

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク