地域在住高齢者における転倒予防自己効力感とHDLコレステロール及び身体能力との関連 : 小菅村横断研究

概要

論文の詳細を見る
背景 : 本研究の目的は,転倒予防自己効力感とHDLコレステロール及び身体能力との関連性を調べることであった。<BR>方法 : 対象者は山梨県小菅村に在住する65歳以上の高齢者339名で,本調査には132名(38.9%)が参加した。移動能力として10m全力歩行,最大一歩幅,40cm踏台昇降を,バランス能力としてつぎ足歩行を測定した。血液性状の中で,主要なアウトカムとして,HDLコレステロールを用いた。転倒予防自己効力感は,10項目,4リッカートスケールからなる質問紙で評価した。研究デザインは,転倒恐怖の有無による2群間比較の横断研究である。<BR>結果 : 転倒予防自己効力感とHDLコレステロールの間に有意な関連はなかったが,転倒予防自己効力感が低い群では有意に移動能力が低かった。また,膝痛や腰痛を伴う男性では,転倒予防自己効力感が低かった。<BR>結論 : 自己効力感とHDLコレステロールとの関連は認められなかったが,本研究は地域在住で独立生活を営む高齢者に限定されているため,今後,良くデザインされた大規模な観察研究が必要だと考えられた。
2010-03-15