免疫機能及び血液性状に与える総合的健康教育の介入効果について

概要

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本研究の目的は、短期集中型の総合的健康教育が大学機関に所属する成人に与える、特に脂質系や免疫系の血液性状から見た生理的効果、身体活動および頻繁な温泉入浴によるリラクゼーション(relaxation)が与える心理的効果などを実証的に検証することにある。3泊4日の講義と運動実践、食事を含めた生活管理を組み合わせた総合的健康教育の成人13名(女性11名、男性2名)に実施した。運動は水泳を中心とし、エアロビクス(aerobics)、ウォーキング(walking)など有酸素作業閾値以下の運動を採用し、一回90分の運動を一日当たり4回ほど実施した。一日の摂取カロリー(calorie)は、脂質を抑えたバランスで1,400〜1,600 (kcal)に設定した。合宿中の入浴及び半身浴は温泉であり、プール及びジャグジーなどの付帯設備も全て温泉であった。合宿前後のPOMS (Profile of Mood States)を実施し合宿による精神的変容を観察した。合宿の前に血液採取により、血液性状の一般検査項目とNK細胞活性(Natural killer cell activity)を計測し統制値とし、合宿直後と合宿終了後3週間の値と比較検討した。結果は次の通りである。合宿期間のPOMSに、緊張、抑鬱、怒り、情緒的混乱の指標の低下と活動性の増加がみられ、良好な改善が確認された。血液性状の一般検査項目である総タンパク、アルブミン(albumin)、ZZT、γ-GTP、LDH、尿素窒素、クレアチニン、尿酸、白血球数、ヘマトクリット、血小板数などに正常基準値の範囲内ではあるが、運動や食事の影響と見られる急性あるいは慢性の変化が確認された。NK細胞活性に関しては合宿前の値から合宿を通して徐々に増加し始め、合宿三週間後の値では有意な増加が確認された(27.5±15.7%→34.8±18.2%、p<0.05)。適度な有酸素運動の継続、温泉入浴を主としたリラックスできる環境、充分な睡眠、バランスのよい食事などの効果が複合的にNK細胞の活性を高めたと考えられる。
2006-03-31

免疫機能及び血液性状に与える総合的健康教育の介入効果について

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