福祉ホーム入居高齢者の日常生活機能、うつとQOL-ミャンマーの宗教系ホームと日本の養護老人ホームにおける比較検討-(<特集>ミャンマー少数民族地域における生態資源利用と社会変容)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Geriatric medicine has addressed not only the diseases but also the activities of daily living (ADL) and quality of life (QOL) of elderly people. Recent research into the QOL of the elderly has focused on the "spiritual" dimension in addition to the physical, mental, economic, and social aspects of QOL. We have been deeply impressed with the importance of the spiritual dimension in a recent international comparative study of QOL among elderly residents of nursing homes for the aged poor in Myanmar (Burma) and Japan. The study population consisted of 140 residents in a Buddhist nursing home (Buddhist Home) for the aged poor (M:F=58:82, mean age: 80.5 years) and 160 residents in a Catholic nursing home (Catholic Home) for the aged poor (M:F=63:97, mean age: 80.6 years) in Yangon (at the time the capital of Myanmar), compared with 283 residents in a nursing home for the aged poor in Osaka in Japan (M:F=152:131, mean age: 77.8 years). We interviewed and examined each elderly resident for depression and Quality of Life (QOL) as well as ADLs. The Geriatric Depression Scale-15 (GDS-15) was used for the depression screening. Five quantitative QOL indicators were assessed using a 100 mm visual analogue scale: subjective sense of health, relationship with family, relationship with friends, financial satisfaction, and subjective happiness. We compared the GDS-15 scores, prevalence of depression using a cutoff-point 5/6 or 9/10, and quantitative QOL scores (0-100) of the residents in the three homes. The GDS-15 scores and prevalence of depression were highest among residents in the nursing home in Japan and lowest among residents in the Buddhist Home. Each QOL score, with the exception of financial satisfaction, was highest among residents in the Buddhist Home, followed by those in the Catholic Home in Myanmar; they were lowest among residents in the home in Japan. Myanmar is one of the economically poorest countries in Southeast Asia, but is known to have many pious people, most of whom believe in Buddhism and some of whom believe in Christianity or Islam. In contrast, Japan is one of the economically richest countries in the world, but few Japanese believe deeply in any particular religion. Spiritual practices, such as meditation among Buddhists and prayer among Catholics in Myanmar, and religious solidarity between residents and care-givers might contribute to improving QOL of elderly poor residents, compared with less religious poor elderly residents in Japan.
- 京都大学の論文
- 2007-12-31
著者
-
和田 泰三
京都大学大学院医学研究科加齢医学講座
-
松林 公蔵
京都大学東南アジア研究センター
-
赤松 功博
古座川病院内科
-
和田 泰三
京都大学老年内科
-
石根 昌幸
京都大学東南アジア研究所
-
坂上 悌二
大津赤十字病院精神科
-
奥宮 清人
総合地球環境学研究所
-
竹田 晋也
京都大学アジア•アフリカ地域研究研究科
-
安藤 和雄
京都大学東南アジア研究所
-
U Soe
SEAMEO-CHAT, Yangon, Myanmar
-
Saw Khin
SEAMEO-CHAT, Yangon, Myanmar
-
Daw Ni
NHINZIGON for the Aged, Yangon, Myanmar
-
Sr. Mary
Little Sisters Home for the Aged Poor, Yangon, Myanmar
-
Daw Ni
Nhinzigon For The Aged Yangon Myanmar
-
松林 公蔵
京都大学 大学院医学研究科フィールド医学講座
-
松林 公蔵
杏林大学 高齢医学
-
松林 公蔵
京都大学医学部附属病院 老年科 地域ネットワーク医療部
-
Saw Khin
Seameo-chat Yangon Myanmar
-
Sr. Mary
Little Sisters Home For The Aged Poor Yangon Myanmar
-
松林 公蔵
京都大学東南アジア研究所
-
竹田 晋也
京都大学アジア•アフリカ地域研究研究科
-
U Soe
Seameo-chat Yangon Myanmar
関連論文
- A155 インド亜大陸北東部における気象観測のこれまでと将来展望(スペシャル・セッション「GAMEからMAHASRIへ〜モンスーン研究の進展と今後〜」)
- 多発性骨硬化性病変とvascular endothelial growth factor高値を示したPOEMS症候群の1例
- 地域在住高齢者における Postural BP change と認知機能, ADL機能
- 75歳以上の地域在住老年者における心拍変動解析 : 行動機能, 認知機能との関連
- WASP遺伝子変異とreversion
- ガイドライン(6)介護予防ガイドライン
- 福祉ホーム入居高齢者の日常生活機能、うつとQOL-ミャンマーの宗教系ホームと日本の養護老人ホームにおける比較検討-(ミャンマー少数民族地域における生態資源利用と社会変容)
- 西ニューギニア地域(インドネシア・パプア州)の神経変性疾患の実態 : 2001-02年, 2006-07年のフィールドワークより
- 本邦地域高齢者の生活機能
- 地域在住老年者の生命予後と生前の包括的機能 : 香北町研究 6
- 地域在住老年者の連続-週間家庭血圧値の実態 : 香北町研究 5
- 運動教室が老年者の認知・行動機能と骨密度に与える影響 : -香北町研究-4
- 後期老年者の認知行動機能に影響を及ぼす要因 : -香北町研究-3
- 老年者の自立度に影響を及ぼす要因 : -香北町研究-2
- 老年者の自立度に関する経年変化 : 香北町研究 1
- 座談会 霊長類学60周年にあたって(下)将来を託される野生動物研究センター 伊谷原一×松沢哲郎×松林公蔵×山極寿一
- 座談会 霊長類学60周年にあたって(上)フィールドワーク60年の伝統 (特集 霊長類学60年--知性と社会性はいかに育つか)
- 水泳後に発症し自然軽快した肺梗塞症の若年女性例 : 日本循環器学会第55回中国・四国地方会
- 腎血管造影の翌日に広範肺塞栓症をきたしUrokinase静注が著効した1症例
- 大動脈造影で偽腔を認めなかった大動脈解離によると思われる心タンポナーデの3症例
- 108)脈波速度(Pulse Wave Velocity : PWV)測定装置における再現性の検討(日本循環器学会 第79回中国四国地方会)
- 35) 地域在住高齢者における酸化LDL測定の意義 : 動脈硬化予測について(日本循環器学会 第78回四国地方会)
- 34) 左房駆出率と血中ナトリウム利尿ペプチド濃度との関連性 : 地域在住高齢者での検討(日本循環器学会 第78回四国地方会)
- 189) 大動脈弁硬化とフィブリノーゲン測定の意義:地域在住高齢者での検討
- 188) 高齢者における認知機能障害と大動脈脈波速度(Pulse Wave Velocity : PWV)測定の意義
- P711 左室肥大心電図と家庭血圧との関連
- 0444 無症候性ラクネ梗塞と脂質・アポ蛋白
- バングラデシュと京滋地方の生存基盤(自然・健康・社会)と減災・開発への在地の知恵の体系に関する相互啓発実践型地域研究
- 2. ラオス中部Savannakhet県における産米林の成立過程
- 熱帯森林資源の多目的利用の可能性 : 熱帯アジアの森林物産と人々のかかわり
- タイにおけるパルプ産業の発展とその原料基盤
- タイにおける森林再生の構造I : 北部「低地タイ人」の「不法耕作」と林野局(RFD)森林村事業(自由論題論文,1989年度秋季大会)
- 報告8.タイにおける森林再生の構造(I) : 北部「低地タイ人」の「不法耕作」と林野局森林村事業(自由論題報告要旨,1989年度秋季大会報告)
- 血液透析患者の QOL (quality of life) と影響因子 : 第49回日本透析医学会ワークショップより
- バングラデシュ低地におけるイネ基幹作付体系の村落レベルの研究 : 第3報 ボグラ県バリンド台地におけるチャウニア・システムを伴うボロ稲作の拡大と農民の対応
- バングラデシュ低地におけるイネ基幹作付体系の村落レベルの研究 : 第2報 ボグラ県バリンド台地におけるトポシークェンス(地形系列), 水文条件, 土地分類と作付様式
- バングラデシュ氾濫原農村の屋敷地(バリ・ビティ)における村人の植物の利用について
- 転倒リスク予測のための「転倒スコア」の開発と妥当性の検証
- 両側声帯麻痺を伴う Shy-Drager 症候群の2例
- 地域在住高齢者の血圧値の比較 : 沖縄県伊江村と愛媛県面河村
- ベンガル・デルタの微地形発達と土地開発史の対応関係の解明
- 栄養と生活機能
- 地方在住高齢者の介護,日常生活機能はどう変わったか : 高知県香北町の調査から
- 高齢者透析患者のQOL (quality of life) : 第48回日本透析医学会シンポジウムより
- 18) 肺水腫が診断契機となったミトコンドリア遺伝子異常の一例
- B204 インドラダック地域における気象観測(気候システムII)
- ラオス水田農民の健康・疾病プロフィール(パネル4「東南アジア生態史の構築に向けて」,第79回研究大会報告)
- 興味ある経過を示したA-Cバイパス術後遠隔期心筋梗塞の2症例 : 日本循環器学会第50回中国四国地方会
- 痴呆のケアとその予防--高知県香北町における実績から (特集 地域における痴呆予防戦略とその活動--一次・二次予防を中心に)
- 脳梗塞患者における心血管系基礎疾患の検討 : 日本循環器学会第55回中国・四国地方会
- "フィールド医学"の創出 : 香北町からアジアへの展開
- アルツハイマー病患者の病態受容 : 主観的なもの忘れ行為の受けとり方と生活満足に関する検討
- 南ラオスの人と生活 : 8.住民による畑の分類と立地条件
- 7. 南ラオスの人と生活 : 7. サバナケット県チャンポン郡の普及事業および農業・農村開発に関する調査ノート
- 41. 南ラオスの人と生活 6. ケンコク村の市場で扱われる食用植物
- 後期潤年者の高血圧と神経行動機能 : 第58回日本循環器学会学術集会
- アジア高齢化の動向と諸問題 Update 2008
- 高知県香北町研究 : 老年医学的総合機能評価
- アジアにおける高齢化と生活習慣病 : フィールド医学的視点から
- アジア各地の高齢者たち--フィールド医学の可能性 (特集 エイジングとは何か?--加齢の民族自然誌--生物界全般から問いなおすと21世紀最大の課題はどうみえるか?)
- 後期高齢者の地域健康管理の課題2 国際的観点から--特にアジアの点描 (特集 人口動態からみた老化・老年病)
- アジアの地域在住高齢者の実態
- 座談会 自然観と世界観--モンゴルの食にまつわる儀礼から知るもう1つの科学 (科学と学問を見つめ直す対話)
- 座談会 アジアにおける食の安全 (特集=食の安全)
- アジアの視点からみた長寿科学 : フィールド医学の現場から
- 高齢者の機能評価とQOL
- アジアの高齢化とそれにかかわる諸問題
- 司会のことば
- 高齢者における耐糖能異常と前頭葉機能-Frontal Assessment Batteryを用いた解析
- A-22 胎生期ラット消化管EC細胞における外分泌の免疫電子顕微鏡的証明
- 洪水の環境史--バンクラデシュ中央部、ジャムナ川中流域における地形環境変遷と屋敷地の形成過程
- 155 バングラデシュ低地におけるイネ基幹作付体系 : 第7報 ボグラ県バリンド台地における近年の作付体系の変化と農民の適応
- 154 バングラデシュ低地におけるイネ基幹作付体系 : 第6報 ボグラ県バリンド台地におけるトポシークェンス
- 9. バングラデシュ住民参加型農村開発行政支援計画プロジェクト : 2 : 農村開発行政サービスへのアクセス
- 高齢者住民における保有歯数と認知機能
- バングラデシュの「洪水」をめぐる農民の対応と国家政策--動的水文環境に対する農村水文学的アプローチからの提言 (特集 水からみたアジア・アフリカ)
- バングラデシュにおける内水面漁業振興に向けた洪水政策の課題
- バングラデシュ農村開発の試み : 有用植物利用事業にみるコミュニティー・アプローチの可能性
- バングラデシュの氾濫原における乾季畑作と稲作農業--ジャムナ氾濫原ドッキン・チャムリア村の事例
- バングラデシュの河岸侵食問題と「在地の技術」
- 農村水文学 : バングラデシュの農村インフラ整備への新しいアプローチ(バングラデシュ農村開発研究)
- マタボールたちと在地の農村開発 : バングラデシュ,ドッキンチャムリア村におけるアクション・リサーチの記録(バングラデシュ農村開発研究)
- 156 バングラデシュ低地におけるイネ基幹作付体系 : 第8報 氾濫原における作付体系の伝統から近代への変容
- バングラデシュの農村道路建設による水文環境の撹乱
- バングラデシュ・ジャワ-ル村の乾季稲作水田の特性と灌漑 (海外水田工学-1-)
- バングラデシュの低平地における動的水文環境への適応農業 (アジアの農業)
- バングラデシュ・ハオ-ル地域の洪水害と雨季稲作の安定化
- Co-morbidityとgeriatric conditionをどのように評価するか--総合機能評価の視点から (第5土曜特集 老年医学・高齢者医療の最先端) -- (老化,高齢者医療の最先端 老年病,老年症候群のとらえ方)
- 48. バングラデシュの農村開発における在地化アプローチの重要性
- 13. バングラデシュ、チッタゴン丘陵バグチャリ・ムク村におけるファーミング・システムに関する予備的研究(日本熱帯農業学会第98回講演会)
- 在地と都市がつくる循環型社会再生のための実践型地域研究
- 参加型農村開発実践研究における「在地の技術」の発見と意義--バングラデシュの事例を中心として (シンポジウム 課題:農家参加型アプローチの現状と展望--途上国と日本の農業・農村の現場から)
- 9. インド・アルナチャールプラデシュ、アパタニ族の無犂稲作に関する予備的調査(日本熱帯農業学会第98回講演会)
- 53. イラワジ・デルタのマウービン郡アランジー村区における土地利用と稲作体系概況調査(日本熱帯農業学会第97回講演会)
- 52. ラオス国サバ農民におけるインフォーマルな技術伝達 : サバナケート県カダン村における稲作技術に関する事例研究(日本熱帯農業学会第97回講演会)
- 9. 農村で農業技術が伝統的に見える意義 : ラカイン州の作付体系と農具調査事例から(日本熱帯農業学会第96回講演会)
- 8. ラオスにおける農業体系にみる在地の知識と作付技術 : サバナケット県チャンポン郡カダン村における事例研究(日本熱帯農業学会第96回講演会)
- 要介護状態発現の危険因子 : 香北町縦断研究から
- P389 インド北部ラダーク地域地域の2010年8月の鉄砲水災害時の気象条件(ポスター・セッション)
- 老年者の包括的健康度に関する地域比較研究--高知・屋久島-2-高血圧の頻度と血圧変動