法的推論のための論理型イベント言語(知識処理,<特集>インタラクションの理解とデザイン)
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概要
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法的推論システムの実現には,法令文のルール知識に加えて判例を描写するイベント(一回性の事象)のための表現手段が必要である.特に,判例の中身は複数のイベントによって展開されており,動的な知識表現とその論理的な推論を法的推論システムに取り込まなければならない.イベントは一回性・一時性を持った動作あるいはアクションであり,静的なプロパティと対比される概念である.これまでイベントの概念は,オントロジ,論理学,言語学,人工知能,演繹データベースなど様々な研究分野で扱われてきているが,各アプローチとも法的推論でのイベント記述の多様な側面を同時にとらえるには不十分であった.本論文では,法的推論で現れる語彙や記述を例に用い,イベントの量化,ソート階層およびイベント間の合成と排他性を導入した知識表現とその論理型言語(イベント論理と呼ぶ)を提案する.この言語は,順序ソート付き二階述語論理に準じた論理的な表現によってイベントを定数,ソート,述語および変数と見なし,イベント言明のための知識表現と推論を可能にする.さらに,法的推論システムを実現する推論メカニズムの基盤を与えるために,イベント論理に対するソート付きのタブロー計算を設計して,その反駁推論による質問応答システムを構築する.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2007-12-15
著者
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