法律知識の事象的/属性的読みを区別した推論システム
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概要
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法的推論の研究では,法律知識を計算機上でどのように表現するかが問題となる.従来の法的推論システムは,知識の一回性/広域性や適用範囲の特性に十分対応しておらず,法令文などの記述がシステムに合わせて書き換えられ,本来持っている暗黙の意味や推論力を損なう場合がある.法律知識は事件の記述から形式的な法令文にわたっており,それぞれが意図する意味から適切に推論するためには,自然言語文に現れる事象と属性を区別しなければならない.本稿では,自然言語の解釈に注目し,法令文の事象的/属性的読みからもたらされる述語の上位導出や暗黙対象への量化の違いをサポートした推論システムを提案する.それにより,事象的読みと属性的読みとに依存した柔軟な推論メカニズムを使って法令文の適用が可能になる.さらに,述語のイベント/プロパティの識別,型表現,および型への量化の概念を導入して,読みの特性に基づいた型変換と引数の操作による単一化を備えた論理プログラミングを形式化する.最後に,推論システムを実装し,法律知識の例によって実行した結果を示す.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1999-07-15
著者
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