ネピアグラス(Pennisetum purpureum SCHUMACH)の生産性および飼料価値に関する研究 : 2.窒素施用が栄養価値におよぼす影響
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概要
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窒素施用がネピアグラスの栄養価値におよぼす影響を検討するため1976年に年間10a当り窒素施用量0kg,30kg,60kgおよび90kgの試験区を設定し,各試験区,各番草とも葉部と茎部に分けて試料を採取し,一般成分およびNDFとNDF組成の定量ならびにin vitro乾物消化率を測定し,次の結果を得た。一般成分の内,粗蛋白質および粗脂肪含量は窒素施用量の増量にともなって葉部,茎部ともに増加したが,NFEおよび粗灰分含量は逆に減少した。粗繊維含量は葉部では差は認められなかったが,茎部では窒素施用量の増量にともなって増加した。NDFおよびNDF組成は葉部ではリグニン含量が窒素施用量の増量にともなって増加したが,NDF,ヘミセルロース,ADFおよびセルロース含量には差は認められなかった。茎部ではADF,セルロースおよびリグニン含量が窒素施用量の増量にともなって増加したが,ヘミセルロース含量は逆に減少した。NDF含量には差は認められなかった。シリカ含量は葉部では無窒素区が高く,無窒素区と窒素施用区間に有意差が認められたが,茎部では試験区間に有意差は認められなかった。In vitro乾物消化率は葉部では無窒素区と窒素施用区間に,茎部では無窒素区と窒素施用区間および30kg区と60,90kg区間に有意差が認められ,葉部,茎部ともに無窒素区が高く,60および90kg区の高窒素区は低い位を示した。以上の結果からネピアグラスに対する窒素施用は粗蛋白質および粗脂肪含量の増加をもたらすが,他方,DMDと高い負の相関を示す成分含量も増加するためDMDが低下し,その栄養価値は低下する傾向を示した。
- 日本草地学会の論文
- 1983-10-28
著者
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