ネピアグラス (Pennisetum purpureum Schumach) の生産性および飼料価値に関する研究 : 5. 刈取り高さが栄養価におよぼす影響(畜産学科)

概要

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刈取り高さがネピアグラスの栄養価におよぼす影響を検討するため,1983年に刈取り高さ10cm区,25cm区および40cm区の3試験区を設定し,各試験区,刈取り毎に試料を採取し,一般成分とNDFおよびNDF構成成分の定量ならびにin vitro乾物消化率を消定した。さらに,乾物収量にin vitro乾物消化率を乘じて可消化乾物収量を算出し,次の結果を得た。1.一般成分のうち粗蛋白質,粗脂肪および粗灰分含量は高刈取り区がやや高い値を示し,粗繊維含量は逆に低刈取り区がやや高い値を示したが,各成分含量はともに試験区間に有意差は認められなかった。2.NDF,ADF,セルロースおよびリグニン含量は低刈取り区がやや高い値を示し,シリカ含量は逆に高刈り区がやや高い値を示したが,各成分含量はともに試験区間に有意差は認められなかった。3.IVDMDの年間平均値は10区58,675%,25区58.89%,40区59.975%で試験区間に特定の傾向は認められなかった。4. DDM収量は年間10a当り10区2.40トン,25区2.41トン,40区2.41トンで試験区間に特定の傾向は認められなかった。以上の結果から刈取り高さがネピアグラスの栄養価におよぼす影響はほとんどないものと推察される。
琉球大学の論文
1989-12-05