シコクビエ種子の休眠および発芽に関する研究 : I.発芽に対する光と温度およびその相互作用
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概要
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シコクビエのアフリカ産,インド産および日本産の数品種について,その種子発芽に対する光と温度の相互作用を,貯蔵条件を異にする種子を用いて検討した。結果の概要は次の通りである。1.種子の休眠程度は品種間で差があり,室温貯蔵では,採種後翌年の播種期にあたる5月にいたっても深い休眠状態を呈する品種があった。2.休眠の覚醒は貯蔵温度によって影響され,低温(5℃)では休眠が維持されたが,高温になると休眠覚醒が促進された。3.シコクビエ種子の発芽可能温度域は広く,休眠が完全に覚醒した段階では,10℃でも明暗ともに高い発芽率を示す。4.発芽の光一温度反応性は,品種あるいは休眠覚醒程度で異なった。休眠覚醒が相当進行した段階では,品種による差はなかったが,その中間過程における発芽の光一温度反応から,品種は3つのタイプにわけられ,このような品種の分化は品種の原産地と関連しているようである。5.10℃では,品種の原産地,来歴に関係なく,すべての品種に共通して暗発芽性が認められた。この暗発芽の誘起には,吸水置床後一定の暗期が必要であり,また,この暗期中に,短時間の光照射によって発芽が抑制される時期があった。
- 日本草地学会の論文
- 1979-01-31
著者
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