牧草類の切穂の人工培養による種子の形成と発芽習性 : I.数種寒地型牧草における切穂の人工培養による種子形成の可能性
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概要
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ペレニアライグラス(Colac),イタリアンライグラス(ナスヒカリ)およびオーチャードグラス(アオナミ)について,切穂の人工培養における種子形成と得られた種子の発芽習性を調べた。結果は次のとおりである。1.いずれの草種においても,開花直前の切穂を培養することによって,長期間にわたって吸水が維持され,稔実種子が得られた。2.切穂の止葉の有無および培養液へのシュークロース添加の影響を調べたところ,いずれの草種においても,止葉つきおよびシュークロース添加は種子形成に対し,有効に作用し,自然登熟種子とほぼ同程度の重さの種子を得ることができた。3.いずれの草種でも,切穂の培養で得られた種子は自然登熟種子と同様の温度に依存した明発芽性,prechillingに対する顕著な反応を示した。4.いずれの草種でも,止葉つき・シュークロース添加条件で培養した場合,種子重は自然登熟の場合に比較して,約1〜2週間早く最高に達し,種子形成がはやくなる傾向がみられた。
- 日本草地学会の論文
- 1978-01-31
著者
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