クロリス属の染色体数,生殖様式および形態学的特性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
クロリス属14種の染色体数,生殖様式および26形質について調査を行った。確認された染色体数を以下に示す。2倍体(2n=20):Chloris gayana, C. roxburghiana, C. pilosa, C. virgata; 4倍体(2n=40):C. gayana, C. pycnothrix, C. acicularis, C. radiata, C. polydactyla, C. divaricata, C. barbata; 8倍体(2n=80): C. ciliata, C. distichophylla; 10倍体(2n=100): C. castilloniana; 12倍体(2n=120): C. truncata. 生殖様式の調査は,透明化した胚のうをノマルスキー微分干渉顕微鏡を用いて観察する胚のう分析法と自殖種子と放任受粉種子における稔実率調査を用いた。胚のう分析法によって,供試したすべての種子は8核性の有性生殖胚を備えていることがわかった。種子稔性の調査から,C. gayana(ローズグラス)のみが他殖性であり,他の種は自殖性であると推定された。クロリス属の形態的変異の幅は大きかった。その中でローズグラスの生育が最も旺盛で草丈も高かった。ローズグラスの4倍体系統は2倍体系統の巨大型を示した。また気孔の大きさは,C. truncata(12x), C. castilloniana(10x), C. distichophylla(8x), C. ciliata(8x)と4倍体ローズグラスが他の種に比べて大きく,高倍数体で大きい傾向が認められた。しかし,他の形質では倍数性との相関は認められなかった。12種,34系統について,26形質の数値データを元にしてクラスター分析を行った結果,これらは7グループに分類された。そして,同一グループ内には同一倍数体が属する傾向が認められた。
- 日本草地学会の論文
- 1987-12-31
著者
-
清水 矩宏
草地試
-
清水 矩宏
草地試験場
-
佐藤 博保
九州農試
-
中川 仁
広島県立農業技術センター
-
清水 矩宏
草地試験場生態部
-
中川 仁
九州農業試験場草地部
-
清水 矩宏
九州農業試験場草地部
-
佐藤 博保
九州農業試験場草地部
関連論文
- 30 栽培ヒエ×ヒメタイヌビエ雑種の形態、生理形質について
- イネ科C4植物の葉構造,暗期移行直後のCO2放出現象とC4サブタイプとの関係
- オオクサキビ及びヒエの生育に及ぼす土壌低温の影響
- 3Ba-8 C_4植物のNAD-リンゴ酸酵素: 調節的性質
- 124 panicum属及び近縁属C_4植物の葉身の形態的特徴
- シコクビエの初期生育における品種分化と地理的変異
- 暖地型イネ科牧野草の初期生育における属・種間差異
- 寒地型イネ科牧野草の初期生育における属・種間差異
- 牧草類の切穂の人工培養による種子の形成と発芽習性-4-暖地型牧草の切穂培養による種子の発育に対する糖,亜硫酸及び8-ハイドロキシキノリンの効果
- 103 Panicum coloratum種内における葉構造の変異と暗期移行直後のCO_2放出現象との関係
- 61 C_4型植物の炭酸固定経路と葉構造及び暗期移行直後のCO_2放出現象との関係
- 牧草類の切穂の人工培養による種子の形成と発芽習性 : III.オーチャードグラスにおける培養条件
- 73 土壌温度がオオクサキビの生育に及ぼす影響
- 86 Indica rice種子の水中浸漬処理による休眠覚醒と休眠誘起
- 30. 栽培特性及び飼料成分の主成分分析によるヒエ属種・品種の類別
- 64 シコクビエの初期生育における品種分化と地理的分布
- 63 暖地型牧草の初期生育における属・種間差異
- 牧草類の切穂の人工培養による種子の形成と発芽習性-2-イタリアンライグラスおよびペレニアルライグラスにおける培養条件の確立
- 2-7 ソルガム栽培におけるマメ科被覆作物の雑草防除および緑肥効果
- 播種期および栽培年次の違いがソルガム類(Sorghum bicolor Moench×S.sudanense Stapf)の主稈葉数および展葉速度に及ぼす影響
- 39 中国・浙江省の湿田における種多様性と日本版レッドリストに記載されている水生植物種の分布
- 中国・浙江省の湿田における種多様性と日本版レッドリストに記載されている水生植物種の分布
- 草地・耕地への外来雑草の侵入経路の特定と定着・拡散機構(II)
- 堆肥中の雑草種子の生死に及ぼす発酵温度の影響
- 86 草地・耕地への外来雑草の侵入経路の特定と定着・拡散機構(II)
- 40 堆肥中の雑草種子の生死に及ぼす発酵温度の影響
- 103 最近増加している草地・飼料畑の外来雑草の発生実態
- シコクビエ種子の休眠および発芽に関する研究 : I.発芽に対する光と温度およびその相互作用
- 石垣島におけるギニアグラスとローズグラスの生育特性
- アポミクシス: 植物育種のフロンティアー : 国際アポミクシス学会に参加して
- ソルガムの糯粳性
- ソルガム系統の耐湿性と飼料品質
- 青刈ソルガム新品種「グリーンエース」の特性
- 総合討論の概要 水田農業を通じていかに生物多様性を保全するか
- 最近の外来雑草の侵入・拡散の実態と防止対策 (移入生物による生態系の攪乱とその対策)
- クロリス属の染色体数,生殖様式および形態学的特性
- 有性生殖系統とアポミクシス系統の交雑で生じたギニアグラスのアポミクシス品種「ナツカゼ」の細胞学的解明
- ロ-ズグラス(Chloris gayana Kunth)新品種「ハツナツ」
- 光反応性牧野草種子の休眠覚醒機構-1〜3-
- ロ-ズグラスの花芽分化・発達と温度が出穂と稔実に及ぼす影響
- 暖地型牧草の越冬性の種及び品種間差異
- 35. ペレニアルライグラスの越冬性に関する諸特性の品種間差異(年次講演会要旨)