排気タービン過給機関塔載トラクタの作業性能と燃料消費に関する研究
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概要
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化石燃料に代わる代替燃料の研究が各所において行われているが,燃料消費率のより少なくなおかつよりよい性能を目指した研究もまた重要である。このことは低い生産費で高収益を上げることにつながる。農業機械と産業部門への各種エンジンの適用は各国で徐々に行われてきており,したがってそれらの機械を低コストでかつ高性能で運転することは非常に重要なことである。過給機関は徐々に増えてきており,この傾向は将来過給機関が非常に普及することを示している。本研究は,過給機関塔載トラクタの燃料消費の経済性を無過給機関のそれと較べた場合の性能の差をみたものである。すなわち,ほ場におけるロータリ耕実験と室内におけるPTO試験を行い比較検討した。結果を以下に示す。1.PTO試験(1)過給機関を使用することによりPTO軸出力は機関回転数2200rpmにおいて21%増した。(2)同上回転数においてPTO軸最大トルクは28%過給機関が勝った。(3)燃料消費率は2.0〜2.1%無過給機関より減った。2.ロータリ耕実験(1)出力(熱)効率は,過給機関を使うことによりよりよくなった。更に過給機関塔載トラクタは,例えば過給機関塔載トラクタの耕うんピッチ220mm最大出力効率25%に対して無過給トラクタのそれぞれ168mmおよび17%の如く,無過給トラクタより大きい耕うんピッチと高い出力効率で作業することが可能である。(2)過給機関塔載トラクタは比較的高速作業状態において高性能を発揮する。このことはまたほ場作業を完了するのにより短かい時間ですむことになる。この場合過給機塔載トラクタは出力効率がより高いことと高速作業における土壌の破砕に十分な出力を供給できる能力をもっていることを示す。以上のことから過給機関塔載トラクタは無過給トラクタに較べるとより大きい出力およびトルク,高負荷を受け入れる能力,高速作業を遂行する能力それに燃料消費量の経済性に優れている。
- 帯広畜産大学の論文
- 1985-11-20
著者
-
谷口 哲司
帯広畜産大学農業工学科農業動力学教室
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大友 功一
帯広畜産大学農業工学科農業動力学教室
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谷口 哲司
帯広畜産大学畜産環境科学科
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大友 功一
帯広畜産大学畜産学部
-
マカンガ ジェームス
ジョモケニヤッタ農工大学
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大友 功一
帯広畜産大
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谷口 哲司
帯広畜産大
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大友 功一
帯広畜産大 畜産
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