車輪踏圧に関する基礎研究 : 多水分土壌の踏圧深
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概要
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播種床調製としてのプラウによる耕転はれき溝底をトラクタ車輪が走行する結果,心土が堅密化し,作物収量に直接影響の及ぶことが踏圧問題として提起されている。この対策として,心土破砕を行っているが,近年大形トラクタの導入に伴って,踏圧の及ぶ範囲が拡大し,慣行の心土破砕作業の再検討が将来予想される。この観点から,ソイルビンを供試し,十勝火山灰土を対象として,本報では多水分土壌の変形及び踏圧深を検討した。供試車輪として,鉄車輪及び空気タイヤを用い,土壌の塑性変形量をストリンググリッドで計測する車輪踏圧実験を行った。既に報告した乾いた土壌と同様にわだち中央部の踏圧面深さZnと塑性変形量Dnとの関係は,次の実験式で表される。Dn=E-FlogZn本実験における係数E,Fは車輪接地圧PIとの関係で次式のとおりであった。E=3.61PI^<0.87>F=1.14PI^<0.77>多水分土壌のE値は乾いた土壌と比較して,小さな値であったが,F値は反対に大きな値であった。これは多水分土壌の塑性変形量は小さな範囲に留まるが,変形はより深くにまで及んでいることを示す。踏圧深と車輪接地圧との関係は次式として求められた。Zm=exp(3.17PI^<0.1>)今後,既報と併せ車輪接地圧より各種トラクタの乾,湿土壌における踏圧深の予測から対踏圧の営農指針を得ることを可能とした。さらに踏圧の原因である土壌変形を理解する上で,踏圧深を基準として,土壌変形を捉える方法を提案し,その結果,同一土壌,同一車輪の変形は同一法則に依存するとの変形則を得た。
- 帯広畜産大学の論文
- 1987-11-30
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