プラスチックパイプ浅暗きょ施工時のトラクタ所要動力

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耐久性のあるプラスチック製排水管を地下0.5m程度に埋設する「浅暗きょ法」が提唱されている。この方法は施工深が浅いので,その作業機のけん引抵抗は小さいと予想されることから,営農用車輪トラクタで施工できると判断した。そこで,45PSトラクタを供試して暗きょ施工用作業機の構成要素(サブソイラ・弾丸・排水パイプ)のけん引抵抗とその施工にあたるトラクタ所要動力について検討した。1.供試したほ場の土壌条件はおもにコーンペネトロメータで測定した。その結果,深度とともに抵抗は増大し,深度35cmで最大値を示し,12.7〜15.0kg/cm^2であった。2.弾丸径と抵抗との関係を求めるために,4種類の弾丸を供試した。そのスカート部の直径は651nm,90mm,115mm,140mmであった。3.供試した排水管の規格は,直径50mm,長さ60mであったが,実験にあたって,長さを1/2とし,1行程30mとした。4.排水管のけん引抵抗は埋設長さと関係なく,平均11kgであった。いかなる施工においても,その抵抗は全けん引抵抗の数%以内にとどまる。5.弾丸径と弾丸けん引抵抗との間には指数関数的な関係が見られ,弾丸径65mmのとき18kg,90mmのとき70kg,115mmのとき120kg,140mmのとき232kgであった。6.サブソイラの施工深とけん引抵抗との間には,指数関数的な関係が見られ,施工深40cmでは550kg,45cmでは750kg,50cmでは1,000kgと急激な増加が見られた。7.全けん引抵抗は,けん引速度,およそ0.4m/s,施工深45cmで施工を行なった場合,弾九径を大きくするとともに増大し,弾丸径65mmでは782kg,90mmでは848kg,115mmでは878kg,140mmでは994kgとなることがわかった。8.サブソイラと弾丸径による土壌の破砕効果を調査した結果,破砕角度と弾丸径とには,相互関係が認められる。破砕角は径65mmでは71°,90mmでは62°,115mmでは60°,140mmでは47°であった。9.トラクタ車輸での土壌踏圧の影響は地下8cmまで大きく,8cm以下では,その深度を増すごとに小さくなり,施工排水管周辺に対する影響はほとんど認められなかった。10.けん引速度と全けん引抵抗との関係は,サブソイラと径90mmの弾丸を平均施工深43cmでけん引して求めた。速度に対する抵抗は直線的に増加するとみなして,その増加率は278kg/_<m/s>であり,変動幅は200kgであった。11.けん引速度と駆動馬力との間には指数関数的関係が認められ,記録最大馬力は0.5m/sで14PS,1.0m/sで43PSであった。12.供試ほ場での施工において,施工深を50cm,速度を0.5m/s,使用弾丸径を90mmとして,60PSトラクタを使用した場合について検討した。その結果,平均スリップ率24%,駆動車輪スリップ沈下量20mmで作業を行なえることがわかった。これらのことから,排水を必要とする悪条件畑地でのトラフィカビリティを考慮すれば,施工に必要なトラクタの最低サイズは,60PS級と考える。
帯広畜産大学の論文
1973-01-18

プラスチックパイプ浅暗きょ施工時のトラクタ所要動力

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