アルファルファの栽培と利用に関する実験的研究 : I.若干品種の生育階梯と飼料成分
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概要
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著者は,アルファルファの栽培と飼料的利用に関する一連の実験的研究を実施している。今回の報告は,アメリカから導入された新しい品種とこの地域において適応性があると考えられる5品種について,その収量・葉茎比・若干飼料成分・消化率(管内),およびアミノ酸含量について研究した結果について行なうものである。その結果を要約するとつぎのごとくである。1.アルファルファの収量は品種と生育階梯によって異なる。一般に,デュプイとサラナックは他の品種よりも高収量であり,後者は前者に比して葉茎比も大である。これはサラナックが供試品種のうちで,もっとも葉部の多いものであるからである。2.飼料成分も生育階梯とともに変化し,生育期の若いものは粗蛋白質,粗灰分含量が高く,逆に粗繊維含量が低いが,生育期が進むとともに前者の含量が低くなり,後者のそれは高くなる。また,葉部の多いサラナックはデュプイよりも粗蛋白質含量が高く,粗繊維含量が低い。3.アルファルファの消化率(管内)は,生育初期のものは生育後期のものよりも高い。4.アルファルファのアミノ酸含量も生育階梯の初期のものに多く,後期になるにしたがい低減する。とくにアスパラギン酸,グルタミン酸,リジン,ロイシン,アラニンなどが他のアミノ酸よりもその含量が高い。一般に,この地域に適する新しいサラナックは葉部も多く,粗蛋白質含量も高く,他の品種に比して栄養価値が大である。
- 帯広畜産大学の論文
- 1969-02-10
著者
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