顔形態特徴の日中韓比較(1) : 顔面表情に伴う顔形態の文化比較(対面コミュニケーション-顔を中心的メディアとした)

概要

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人々は,それぞれの属する民族の持つ文化に応じてコミュニケーション・メッセージについて異なる基準を持ち得る.顔面表情に違いがあるように,自分とは異なる文化にある人々の間では共有される意味を正しく理解することが難しいことがある.顔にかかわるコミュニケーションのメカニズムを文化と関連させて考えると,このような共通性と相違性という二重性は有効な視点と言えよう.顔によるコミュニケーションのもたらす意味は,顔貌特徴,文化規範,表示規則,対人関係,時代,社会的脈絡などの多様な要因によって相対的に異なるものである.本研究では,大学生を参加者として,32種類の顔形態特徴について,自分の経験による表情(幸福,怒り,真顔)と参加者の民族性,性差,社会的スキルとの関連を検討した結果,表情表出の程度は,韓国人>中国人>日本人であり,かつ,女>男の関係が明瞭であった.また,韓国人では表情に伴う顔形態特徴の違いが大きく,日本人では,その変化は小さい.顔部位特徴については,幸福時には顔の幅・高ともに伸展するが,怒り時には,中顔部の縮小が共通しており,真顔条件では,目のサイズは最大である.由来する感情に応じて顔部位の特徴は,文化との関連で異なると言えよう.
2007-09-23

顔形態特徴の日中韓比較(1) : 顔面表情に伴う顔形態の文化比較(対面コミュニケーション-顔を中心的メディアとした)

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