ベトナムにおける高齢者介護を探る
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ベトナムでは高齢者の介護が、従来の家族介護から社会的な制度に基づく介護と転換していく時期を迎えるであろうという予測の元、「介護」特に日本の介護福祉士養成についての関心が高まりつつある。2006年12月には、昨年締結した学術交流協定に基づき、ホーチミン市立幼児師範学校と本学が共同し介護セミナーを開催する。その準備のため筆者4名は同年8月、ホーチミン市を訪れ、在宅と病院・施設での高齢者介護の様子を視察した。本稿は視察からみえてきたベトナムの高齢者介護についての知見をまとめたものである。現在、ベトナムの高齢者介護の課題として、(1)介護の社会化という概念がないこと、(2)少子高齢化は確実に進行していること、(3)認知症という概念がなく、認知症高齢者に対する理解についても遅れがあること、(4)施設での生活は命の保障はあるが、生活の質の向上という段階にまで達していないこと、(5)日本でいう基本的人権に含まれるプライバシーの保護という概念がないこと等が挙げられる。
- 2007-03-05
著者
関連論文
- なぜ今歴史研究が求められているか 2
- なぜ今歴史研究が求められているか 1
- 事例演習を軸にした介護技術演習授業の効果 : フォーカスグループを用いて(第2報)
- 障害児の寄宿舎における生活教育
- なぜ今歴史研究が求められているか 3
- 精神障害者の初期受療援助の重要性
- ベトナム社会主義共和国(ドイモイ期)におけるソーシャルワークの導入
- ベトナムにおける高齢者介護を探る
- 介護概論(第1回日越友好高齢者介護セミナー)
- 障害児の父親の「当事者性」に関する考察
- 生と性の日常性
- 事例演習を軸にした介護技術演習授業の効果--フォーカスグループを用いて(第2報)
- 事例演習を軸にした介護技術演習授業の効果 : フォーカスグループを用いて(第1報)
- 障害児教育実践における教育学研究の課題 (障害児教育実践における教育学の課題)
- 若年性認知症の事例研究
- 『ベトナムの国際障害者年行動計画に関する決議』
- ベトとドクの発達に関する事例研究(I) : 「健康な」結合双生児時代
- 西川吉之助の生涯と口話式聾教育運動
- 日本-ベトナム友好障害児教育セミナーの経過と成果
- 21世紀のベトナムの障害児教育に望むこと : この20年余りの交流を通して(記念講演〔第10回日本ベトナム友好障害者教育・福祉セミナー於ホーチミン市2001年8月20日〕)
- 運動機能障害と図形表現システム (障害者のコミュニケーションと福祉工学)
- 実習事前学習としての施設見学に関する検討 : 夜間課程における2年間の取り組み
- 短期大学における介護学生の卒業時の介護観の検討--授業・実習との関連と新カリキュラムへの課題
- 南好子さんの業績に学ぶ
- T市における「住民参加型」介護教室の開設経過と考察 : 痴呆になっても安心して暮らせる地域づくりを目指して
- ベトナムのある地区(タイニン省)の障害者実態調査研究
- ベトナムの医療・看護・介護は今--私たちの学ぶことは
- 京都東山の洛東病院の歴史を探る--語られなかった歴史的事実にせまる
- 私の研究の歩みをふりかえって
- 日本の高齢者施設の紹介と、介護福祉士の役割について(第1回日越友好高齢者介護セミナー)
- 介護技術(第1回日越友好高齢者介護セミナー)
- 知的障害者グループホームにおける生活援助
- 『胎動するベトナムの教育と福祉』 : ドイモイ政策下の障害者と家族の実態, 黒田 学,向井啓二,藤本文朗, 文理閣 A5判・276頁, 2003年6月
- 日本の支援による初めてのベトナム障害児教育教員養成--ホーチミン市師範大学障害児教育学科第一回卒業式を終えて
- 第1回日越友好高齢者介護セミナーを開催して(第1回日越友好高齢者介護セミナー)
- 大阪健康福祉短期大学代表挨拶(第1回日越友好高齢者介護セミナー)
- 日越友好高齢者介護セミナー開会の挨拶(2)(第1回日越友好高齢者介護セミナー)
- 発達保障論と環境問題をめぐって:私の研究の歩みを通して
- 高齢者の発達保障を考える (IV) : 介護とかかわってと症例
- 高齢者の発達保障を考える(3)施設での取り組みと今後の課題
- 高齢者の発達保障を考える(2)痴呆性老人の発達保障
- 高齢者の発達保障を考える(1)「老人が老人を研究する」時
- 痴呆性老人に関する研究(II) : 症例, 文献, 発達保障, 研究ノート
- 自治体における政策づくりの課題 (障害者政策の今日的課題)