障害児の父親の「当事者性」に関する考察
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概要
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障害者の家族における「当事者性」に焦点を当てる意義は、これまでは、「障害児」という中心問題に対しての周辺的問題として取り扱われてきた「家族」という領域を社会的解決を望む中心問題として取り扱うことを目指すことである。このことに関して、「障害児の母親」に関しては、「介助主体」としての役割から生じるさまざまな負担やアイデンティティの問題がクローズアップされつつあるが、「障害児の父親」に関しては、研究テーマとして取り扱われることはまだまだ少ない。本研究においては、「障害児の父親」像とそれを生み出す構造について明らかにする。まず、先行研究のレビューにおいて、障害のある子どもが生まれることで、家族に生じる困難やそのことが母親や父親の生き方やアイデンティティまでも規定することを説明する。そして、介助主体としての「障害児の母親」の位置から「障害児の父親」を考察するとどのような役割や位置づけが求められるのかということを明らかにする。さらに、後半部分では、障害児を育てている父親たちへのインタビュー調査の結果から、「障害者の父親」としての「当事者性」とは何かということについて考察していく。
- 大阪健康福祉短期大学の論文
- 2006-03-25