最重度精神薄弱児の自由遊びの構造について
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概要
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重度児の自由遊びに関与する因子を分析するために,自由場面において生起した77種類の行動を11項目に分類して,主田子法により分析した。生起頻度が高かったのは,目的不明の移動や自己刺激行動であり全体的に,視覚,聴覚,触覚,運動感覚による感覚レベルの遊びが目立つ。しかし,11項目間の相関は低く,各項目の行動がほぼ独立していて関連が薄い。第1因子から第3因子までの因子負荷をみると,第1因子は精神的活力,または,精神的エネルギー,第2因子は,興味・関心の方向性を示す因子,第3因子は,遊びにおける社会性の因子と推定された。低発達群と高発達群にわけて,3つの因子に対応する因子スコアをみると,低発達群の第1因子スコアは.543である。これに対して高発達群は,-.488で低発達群のほうが大きい。また,第2因子スコアの両群の差は小さかったが,低発達群は負の得点を示し,関心が自己内へと向かっている。これに対して高発達群は,外へと関心が向いている。第3因子スコアに関しては両群の間に差はみられなかった。ひとり遊びが多く,各自が勝手な過ごし方をしているわけであるが,それと同時に,社会性の発達は遅く,発達しにくいことがわかる。
- 横浜国立大学の論文
- 1982-10-30
著者
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