情動調整プロセスの個人差に関する2歳から3歳への発達的変化
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概要
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本研究の第1の目的は,不快場面に置かれた3歳児を対象に,快,不快情動の変化から捉えた情動調整プロセスの個人差を明らかにすることである。第2に,同一の子どもについて2歳時点から3歳時点への情動調整プロセスの個人差の変化を示す。第3に,不快場面での情動調整行動を検討し,3歳児の情動調整の自律性を明らかにする。2歳前半に実験的観察を実施した母子41組の中で,3歳後半の時点で32組の母子を対象に実験的観察を実施した。その結果,情動調整プロセスの個人差について,不快情動から捉えた情動調整プロセスタイプの中に,快情動変化から捉えた個人差が存在することが明らかになった。情動調整プロセスの個人差の変化については,2歳時に不快情動を表出した多くの子どもが,3歳時には不快情動を表出しなくなることや,2歳時に快情動を表出しなかった子どもの多くは,3歳時には快情動を表出したことを示した。また,情動調整行動に関しては,他の活動を積極的に行ったり,気紛らわし的行動が増え,より自律的な行動が増えることを示した。以上より,3歳児は2歳児と比較して,より自律的で適応的な情動調整が可能となることを明らかにした。
- 日本発達心理学会の論文
- 2006-12-20
著者
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