先天性心疾患(1) : 夜明け前時代(老研究者の覚え書)

概要

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1957〜163年間に経験した先天性心疾患剖検例は比較的少数であった。第1例は10ヶ月、女子。チアノーゼ(+)。心不全を繰返した後、肺炎で死亡。肺高血圧を合併した膜性部型心室中隔欠損兼勤脈管開存。第2例は26歳、男。幼児期チアノーゼ(+)。発熱後、ショック状態で死亡。前方型心室中隔欠損症に合併した大動脈弁の細菌性心内膜炎、右大動脈弓、左鎖骨下動脈閉鎖。第3例は22歳、女。チアノーゼ(+)、発熱後心不全死。卵円窩型心房中隔欠損兼リウマチ性僧帽弁狭窄(ルタンバッシャー症候群)。第4例は37歳、女。肺結核の既往あり。チアノーゼ(+)。微熱、嘔吐後衰弱死。肺動脈(弁)狭窄兼卵円窩型心房中隔欠損に化膿性髄膜炎を合併。第5例は40歳、男。呼吸困難、動悸、めまい、狭心症発作で急死。先天性大動脈(弁)狭窄。第6例は22歳、女。チアノーゼ(+)。手術後、心不全死。内臓逆位、鏡像右心症、(逆位)部分的大動脈転位、肺動脈狭窄、(逆位)完全型共同房室□、共同心房、両側上大静脈、(逆位)奇静脈結合を伴う下大静脈難断、冠状動脈入口異常、右上大静脈・右肺動脈吻合術後状態。その間に先天性心疾患の系統的研究の手始めにシュピッツァ論文の読破に執リかかった。
2004-09-30