心臓血管梅毒 : 第2報(老研究者の覚え書)

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著者は既にパース学園短大紀要4(2)に2例の梅毒性心筋炎、心室瘤、閉塞性動脈内膜炎、大動脈(弁)逆流症を呈する2例と、同2(2)に梅毒性心筋炎の後遺症が疑われる心筋症3例を記載した。これらを第1報とすれば、今回の5例の提示は心臓血管梅毒についての第2報となる。第1例は73歳、男。30年前に梅毒感染、駆梅療法施行。大動脈瘤兼大動脈(弁)逆流症により突然死、心肥大(550 g)。第2例は58歳、男。梅毒罹患の記憶なし。5年前に梅毒性視力障害、駆梅療法施行。大動脈中膜炎、大動脈(弁)逆流症、うっ血性心不全による2度の入院後、突然死、著明な心肥大(850g)。第3例は48歳、男。梅毒の既往あり。大動脈中膜炎、大動脈(弁)兼僧帽(弁)逆流症。心不全治療中急変死、著明な心肥大(810 g)。第4例は67歳、男。47年前に梅毒感染、無治療。大動脈中膜炎、両側冠状動脈入口部狭窄による狭心症頻発、運動中突然死、軽度心肥大(420 g)。第5例は67歳、男。37年前梅毒、駆梅療法施行。大動脈瘤、ゴム腫性心筋炎による突然死、心肥大なし。全例ワ氏反応陽性で、活性または陳旧性大動脈中膜炎がみられ、高率に大動脈瘤、大動脈弁変形・穿孔、冠状入口部狭穿、心肥大などの合併があり、各1例にゴム腫性心筋炎、僧帽弁穿孔の合併を認めた。心筋アノキシアまたは虚血による突然死のリスクが高いことに注意を要する。
群馬パース大学の論文
2003-09-30

心臓血管梅毒 : 第2報(老研究者の覚え書)

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